ひとりの経営者の思いつきが物流を変えた 貨物船に積まれる20世紀最大の発明とは?

ベトナム戦争でも輸送を効率化し世界に波及

 マクリーンの考えたコンテナ船が大きく普及していくのは1960年代からでした。

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日本初のコンテナ船「箱根丸」(画像:日本郵船)。

 1961年、ニューヨークに国際標準化機構加盟11か国の代表とオブザーバー15か国の代表が集まり、コンテナの標準化会議が行われ、最終的に1964年ISO規格として、コンテナの大きさが世界的に統一されます。

 軍事面でもコンテナ船は重要な役割を果たします。1965年、アメリカはベトナム戦争に本格介入しますが、アメリカ軍は船からの軍事物資の積み下ろし作業の多さとコストの高さに難儀していました。そこで、より合理的な輸送方法があるからベトナムにコンテナ船を派遣させてくれとマクリーンが提案し、導入したところ、アメリカ軍の輸送は各段に効率化され、兵站は飛躍的に改善されます。
 
 その後、シーランドは1966年に北大西洋航路で世界初の国際海上コンテナ輸送を開始。規格化されたコンテナに貨物を積載することで、従来に比べ荷役効率を飛躍的に向上した貨物船を世界的にアピールすることになります。日本では、日本郵船と昭和海運が共有で1968年に「箱根丸」を就役させ、日本の貨物船もコンテナ船の時代が始まります。

 運送効率がコンテナのおかげで向上したことや、港湾にガントリークレーンが設置されたことで、1960年代以降、貨物船は大型化の道をたどっていきます。現在では、2万4000TEUの船が最大の船になっています。TEUとはコンテナ船の20フィートコンテナ1個分を指す単位ですので、2万4000個のコンテナが1隻に搭載可能ということです。

 なお、このコンテナに関しては20世紀最大の発明のひとつともいわれています。

【了】

【え、何でも積んじゃだめ?】国際的に決まっているコンテナサイズほか(写真)

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コメント

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1件のコメント

  1. 残るは、海上コンテナと鉄道コンテナも共通化でしょうね。
    20フィートコンテナは海でも鉄道でも共通に使えるのか気になりますね。