「そうは読まないだろ!!」だらけ 実は難読駅王国な「福井」 轟 北府 開発…謎の“訛り駅名”も

福井県のローカル線には、直感的に読み方がわからない駅名がいくつかあります。中には、何となくの想像すらできない読みの駅もあります。

読めるような、読めないような

 北陸新幹線の延伸開業が2024年3月16日に正式決定し、にわかに注目を浴びている福井県。東京から福井県内へ1本の列車で行くことができ、嶺北の福井市から嶺南の敦賀市まで、東日本にとってはより身近な存在となります。

 この福井県、いくつもローカル線が走っていますが、中には漢字の読み方がけっこう難しいものがあります。

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えちぜん鉄道の車両(乗りものニュース編集部撮影)。

●轟
 なんだ!? と思うようなゴツイ字面です。えちぜん鉄道の勝山永平寺線にあり、「車」が3つ重なったような漢字、そのまま読むと「とどろき」――実はそれでもありません。意味はそのまま「大きな音が鳴り響く」として、一説には九頭竜川の流れる音に由来するともあります。

 ちなみに、青森県に「驫木」という「馬」が3つ重なった漢字の駅名があります。こちらは「とどろき」と読みます。

●北府
 福井鉄道の終着駅・たけふ新駅の北隣にある駅で、車庫が併設されています。読み方は「きたふ」ではありません。

 一説には「国府」が訛って府だけになり、そのまま読みが受け継がれたのだろうとされています。愛知県にも名鉄の「国府(こう)」駅があるなど、訛りやすい言葉なのかもしれません。

 同様の訛り方として、徳島県のJR徳島線に「府中(こう)」駅があります。こちらはさらに別の背景があり、領主が「ふちゅうは不忠と同じ読みだから『こう』にしておけ」としたとされています。

●浅水&小和清水
 浅水駅は福井鉄道で福井と鯖江の中間にあり、近くにはJR北陸本線の大土呂駅があります。小和清水駅はJR越美北線の福井~大野の山岳区間にあります。どちらも読めそうで読めない「訛り系」と言えるでしょう。

●発坂&越前開発
 同じく「訛り系」なのが、えちぜん鉄道の勝山永平寺線にある2駅です。地域ならではなのでしょうか。とはいえ、「発」を「ほつ」と読むこと自体は「行灯(あんどん)」と同じく「呉音」由来のものです。一般名詞でも「発作(ほっさ)」など呉音を使うものがあります。

●勝原
 JR越美北線が、大野市街を抜けてさらに九頭竜川上流へ分け入っていくところにあります。ここから長い長いトンネルを2本抜ければ、終点・九頭竜湖駅となります。兵庫県姫路市にも「はりま勝原」という駅がありますが、そちらは普通に「かつはら」と読みます。

 集落の脇に小さなホームと駅舎がぽつんとある駅で、上下線あわせて1日9本しか列車がやってきません。いっぽう真横に高規格道路・中部縦貫道の「大野油阪道路」が開通。勝原ICも開設され、列車で80分かかっていた福井市街も40分台で到達できるようになりました。

【了】

【画像】えっ…これが「福井の難読駅」の読み方です

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