関西~鳥取「スーパーはくと 新型車両導入」結局どうなった? "30年選手"置き換え計画のゆくえ 智頭急行

京都・大阪から鳥取方面をむすぶ智頭急行の特急「スーパーはくと」の新型車両。2018年に鳥取県知事が実現に意欲を見せる発言をして話題になりましたが、それから状況はどうなったのでしょうか。

1994年の開業からまもなく30年

 京都・大阪から第三セクター「智頭急行」(上郡~智頭)を経由して鳥取・倉吉までむすぶ特急「スーパーはくと」。1994年の智頭急行開業時にデビューし、高規格なショートカット新線を最高速度130km/hで駆け抜け、大阪~鳥取間は従来の豊岡経由の4時間から、2時間半へ大幅短縮。山陰方面の交通シェアで大きな地位を占める存在となりました。

「スーパーはくと」の車両は青い振り子式車両の「HOT7000系」が1994年の開業時から現役ですが、近年は車両更新の話があります。2018年には、智頭急行の出資母体のひとつである鳥取県の平井知事が、県議会で「車両更新を実現していきます」と意欲を見せていました。それ以来、この話はどうなったのでしょうか。

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京阪神地区と鳥取方面を結ぶ特急「スーパーはくと」(画像:photolibrary)。

「スーパーはくと」の車両更新については、智頭急行が2019年に策定した「中期経営計画」に、「幅広く検討します」と記載されています。この計画の目標年度は2023年度。幅広い検討の結果が気になるところです。

 智頭急行の担当者は「現時点で、まだ検討を行っているところです」と話します。定期点検や部品交換で特段問題はなく、JRの特急の更新時期が30~40年であることを参考にすると、今すぐ更新すべき状況ではないのでは、としています。

 政府は2020年に「2050年カーボンニュートラル」の指針を打ち出しました。温室効果ガスの全体排出量をゼロにする目標の達成に向けて、智頭急行は「やはり将来的にハイブリッド車などの導入になってくるのかなと思います」と話します。

 ハイブリッドによる特急車両は、2022年7月にJR東海の「HC85系」導入で本格化。智頭急行でも検討材料として情報を集めているといいます。「次の(2024年以降の)中期経営計画の期間中には、次期車両について何らかの発表を行うことにはなりそうです」(同)。

 なお、2021年の県議会で知事は、2020年度の調査結果を見ると「この車体は極めてしっかりしていると。30年が耐用期間かなと言われますが、まだ使えるのではないか」と話したうえで、「最終的には経営判断を会社のほうでも冷静にしていただくように我々としては見守ってまいりたいと思います」と結論。それ以来、本会議で車両更新に関する話題は上がっていません。

【了】

【「智頭急行」のルートと車窓風景】

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コメント

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3件のコメント

  1. 2024年3月16日の北陸新幹線の金沢~敦賀間の延伸に伴い、大阪~福井・金沢をむすんでいた在来線特急「サンダーバード」が「敦賀止まり」になります。関西から北陸各エリアへ行く際は、かならず敦賀駅で乗り換える必要がでてきます。また、引き続き、敦賀から姫路・鳥取へ行く際は、かならず京都・新大阪・大阪の各駅で乗り換える必要がでてきます。

    現在、北陸行き「サンダーバード」は大阪発着、鳥取方面行き「スーパーはくと」も京都発着、姫路方面行き「ラクラクはりま」は新大阪発着であり、京都~新大阪~大阪で運転区間が重複している状況です。それぞれの方向で京都・新大阪・大阪両駅の客を取り込む狙いもありますが、「交直流用電車」「直流用電車」「気動車」の違いもあり、運用を統合することはできず、問題となっています。
    また、「サンダーバード」は9~12両編成ですが、「ラクラクはりま」は6~9両編成、「スーパーはくと」は5~6両編成と短いため、混雑が常態化しています。
    これにより、「スーパーはくと」を12両編成にするために必要な車両が不足するため、261系への置き換えにより余剰となったJR北海道から281系・283系を、2600系・2700系への置き換えにより余剰となったJR四国から2000系を購入する必要がでてきます。

    これがすべてが12両編成へ統一されるとなると、「スーパーはくと」は上郡~鳥取が非電化のため気動車になりますが、「サンダーバード」と「ラクラクはりま」「スーパーはくと」が統合されると、敦賀~姫路・鳥取の直通列車も可能に。北と南へそれぞれの列車を走らせていたのが、ひとつに集約することもできるようになり、ダイヤや車両、乗務員の運用上も柔軟性が増すといえるでしょう。

  2. まあ新車投入は無理やろ、コロナもあるからな。
    JR西日本はかなり前からスーパーはくとの姫路・京都間の廃止をのぞんでいる、そもそも姫路乗り換えで役割は果たせるからな。
    その理由は、ちょっと考えればわかるやろ。

  3. ベースとなったJR四国の2000系とJR北海道のキハ281系はすでに引退となったので…