ローカル鉄道「再生」へ大変革!? 10月法改正で「鉄道の再構築」ルールが明確化
まずは「国交省さん助けて!」と要請するところから始まります。
10月から制度改正
地域交通法が2023年10月1日づけで全面改正となります。今回は、廃止の危機にあえぐ交通機関にどう対応していくかがカギとなっています。
目玉となるのが「ローカル鉄道の再構築に関する仕組みの創設・拡充」です。
これまで、鉄道ローカル線が経営危機などで「廃止になるかもしれない」という状況になったとき、地元はどうすればいいのか、国はどうすればいいのか、鉄道会社はどうすればいいのか、という仕組み作りが明確化されておらず、その場その場で地元協議会と鉄道会社とのあいだの協議によって方針が決定されてきました。
これを明確化するのが、今回の改正地域交通法です。
経営危機が発生すると、まず自治体または鉄道事業者から、国による「再構築協議会」を創設するよう要請が行われます。創設にあたっては、関係自治体の意見が聴かれます。
「再構築協議会」では、利便性・持続可能性の向上を図る方策を協議し、実証事業を行ったあと、最終的に「鉄道輸送の維持・高度化」「バス等への転換」のいずれかを選択し、「再構築方針」を作成します。
ここで行われる実証事業も、「地域公共交通再構築調査事業」として国が半額を負担します。
「再構築方針」が立てられると、鉄道維持ならそのため「鉄道事業再構築事業」により国の補助金が自治体へあてられます。バス転換なら「地域公共交通利便増進事業」として国の補助金があてられます。
「鉄道輸送の維持・高度化」というのは、たとえば老朽化した設備の撤去や、軌道の高速化、行き違い設備の改良、駅舎の機能強化改修、新規車両導入、企画列車の運行など、「鉄道を再び活性化するための準備」の多岐にわたります。
鉄道の存廃に対し、国がリーダーシップを取っていくことをはっきり宣言する、今回の法改正。
果たして、法改正後の「再構築協議会の創設要請」の第1号は、どの鉄道路線になるのでしょうか。
【了】
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