「束の間の非日常」水上の通勤路線「日本橋~豊洲」ついに開業 電車でもバスでもない強みとは?

東京都がかねて実証実験を重ねていた“舟旅通勤”が本格化。水上の通勤路線「日本橋~豊洲」が開業しました。実際、都バスの代替になる期待も高いようです。

はじめての本格運行

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「舟旅通勤」の船内の風景(乗りものニュース編集部撮影)。

 東京に「船の通勤路線」が本格誕生しました。2023年10月25日(水)、東京都が運営する「舟旅通勤」できょう最初に運航開始となったのは「日本橋~豊洲」ルートです。

 東京都は、都心部で川や海、運河を利用した舟運で通勤利用を図る「交通手段としての航路事業」を進めています。2017年から動きがはじまり、2回の実証運行で数種類のルートを試したあと、いよいよ今年度から本格運行となりました。

 開業当初の運行形態は、16時台から20時台まで5往復。最終便は日本橋発20時5分です。のりばの位置は、日本橋南の東側と、ららぽーと豊洲の裏です。運賃は片道500円で、事前予約制となっています。

 さっそく、初日の日本橋16時25分発に乗ってみました。物珍しさか、日本橋の欄干から船をのぞく人たちも。

 のりばに着くと「すみません!満員なので、次の船に乗ってください」と言われました。ちゃんと予約してあるのに…? 実は、この時間帯は潮位が高くなっているため、通常使われる船だと橋の下をくぐれません。そこで、一回り小さいクルーザー船を続行させて輸送しているというわけです。小さいほうは観光汽船興業の「リムジンボート」で、シャープで都会的なフォルムをしており、まさに通勤路線にぴったりです。

 実際に乗り込んでみました。リムジンボートは11人乗りで、「室内感」やエンジンの反響が、まるで小型のコミュニティバスに乗っているかのような気分にさせます。基本的に川と運河だけを走るので、揺れはほとんどなく、それがますます「バスに乗っている」乗り心地です。

 そうこうしているうちに、船は日本橋川から晴海運河へ入り、一気に加速。旧貨物線の「晴海橋梁」をくぐれば、あっという間に豊洲です。実質15分で到着し、旅を楽しむ雰囲気が生まれる前に下船です。それもまた、効率的な輸送に徹した「通勤路線」らしさと言えるでしょう。

 同乗した客も「豊洲に住んでいる人はけっこういて、日本橋のあたりだと地下鉄で帰るのはめんどくさいんだよね。それで都バスの『東16系統』(東京駅~豊洲~有明方面)もめちゃくちゃ混むんだよ。案外この船は便利かも」と話していました。

 豊洲17時50分発はすでに日没を迎えて、きらびやかな臨海エリアの夜景が船を包みます。日本橋川へ入ると、今度は首都高が煌びやかな「空中迷宮」を演出。見上げているとあっという間に日本橋に到着しました。仕事を終えて帰路につく間、ふと「一瞬何もかも忘れて風景に浸る」体験を得られたのも確かです。

「舟旅通勤」の本格運航は2024年春にも、「晴海~日の出」ルートが開業予定。水上ルートだからこそ実現できる「ショートカット移動」で、これまで痒いところに手が届かなかった通勤手段として期待がかかります。

【了】

【画像】えっ…!これが「日本橋~豊洲」車窓風景です

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