羽田にキター!! イギリス「ド派手な政府専用機」その正体は空軍の“空中給油機”!? 裏方機の華麗すぎる転身
G7外相会合や日英「2プラス2」に参加するイギリス外相を乗せた特別機が羽田に飛来しました。巨大な「ユニオンジャック」を描いた派手な外観が特徴ですが、実は本来の姿は空軍の“空中給油機”です。なぜ政府専用機になるのでしょうか。
空中給油機ベースの政府専用機
東京都内でG7外相会合が開催されるのに先立ち、日本とイギリスの両政府は2023年11月7日(火)、外務・防衛閣僚会議、通称「2プラス2(ツー・プラス・ツー)」を実施します。それに出席すべく、クレバリー外相とシャップス国防相を載せたイギリス側の政府専用機「べスピナ」(機体記号ZZ336)が同日午前10時頃、羽田空港に到着しました。
同機はイギリス空軍が運用するエアバスA330-200MRTT空中給油・輸送機ですが、軍用機としては珍しく派手な塗装が施されているのが特徴です。航空自衛隊のKC-767を始めとして、軍用の空中給油・輸送機は、一般的にはグレーの塗装がほとんどですが、「ベスピナ」については白を基調に機体後部から垂直尾翼にかけて鮮やかに英国旗、いわゆる「ユニオンジャック」が描かれています。
イギリスが大型の要人輸送機の運用を開始したのは2016年7月のこと。それまで王室や政府要人が長距離の移動を行う場合は、ブリティッシュエアウェイズなどの機体をチャーターしていましたが、国連安全保障理事会(国連安保理)の常任理事国であり核保有国でもある同国の首脳が、民間の定期航路で運航されているものと同じ機体を使用することは、セキュリティ面で問題がありました。
そのため、トニー・ブレア政権時代に専用機の購入計画が持ち上がります。しかし、財政負担の大きさや、リーマンショックによる世界同時不況などの影響で見送られ続け、デービッド・キャメロン政権末期になってようやく導入へ漕ぎつけることができたのです。
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