「ド派手な政府専用機」広島サミットで来日? わざわざ塗り替えられたイギリス空軍機の正体とは
G7広島サミットに出席する各国の首脳を運ぶ、さまざまな特別機が日本へ飛来する予定です。なかでも飛来したら注目を集めそうなのが、垂直尾翼に巨大な「ユニオンジャック」を描いたイギリス空軍機。どんな機体なのでしょうか。
真っ白なボディに鮮やかな「ユニオンジャック」
2023年5月19日(金)から21日にかけ、広島市において主要7か国首脳会議、通称「G7広島サミット」が開催されます。すでに広島空港には、ブラジル空軍のエアバスA330が飛来しており、今後も「エアフォースワン」のコールサインで知られるアメリカ大統領専用機VC-25をはじめ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダといったG7各国の要人輸送機や、オーストラリア、韓国、インドなど招待国の機体が続々と日本へやってくる予定です。
特に、イギリスのエアバスA330-200MRTT「べスピナ」(機体記号ZZ336)は飛来が期待される特別機のひとつでしょう。なぜなら、同機はイギリス空軍の空中給油・輸送機として任務に就きながら、グレーの塗装ではなく、白を基調に機体後部から垂直尾翼にかけて鮮やかに英国旗、いわゆる「ユニオンジャック」が描かれた、派手な軍用機として知られているからです。
イギリスが大型の要人輸送機の運用を開始したのは2016年7月のこと。それまで王室や政府要人が長距離の移動を行う場合は、ブリティッシュエアウェイズなどの機体をチャーターしていましたが、国連安全保障理事会(国連安保理)の常任理事国であり核保有国でもある同国の首脳が、民間の定期航路で運航されているものと同じ機体を使用することは、セキュリティ面で問題がありました。
そのため、トニー・ブレア政権時代に専用機の購入計画が持ち上がります。しかし、財政負担の大きさや、リーマンショックによる世界同時不況などの影響で見送られ続け、デービッド・キャメロン政権末期になってようやく導入へ漕ぎつけることができたのです。
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