え、行かないよね… JR水戸線ホームに「真岡」の表示、なぜ? 同様の事例は他駅でも
親切な案内です。
わずかだった「JR真岡線」時代
JR小山駅(栃木県小山市)の水戸線ホームへの案内表示に「真岡」が記載されている――JR東日本のイベント担当者が2024年2月、公式X(旧Twitter)へ写真とともに投稿しました。「15・16 水戸線 下館・真岡・水戸方面」とあります。
水戸線は小山~友部間を結ぶ路線で、一部列車は常磐線の水戸駅や勝田駅、高萩駅まで直通します。下館駅は水戸線の途中駅。しかし真岡駅は同線にはなく、下館駅から北に延びる真岡鐵道の駅です。
なぜ、水戸線の列車が行くはずもない、しかも他社線の駅名が記載されているのでしょうか。前出のイベント担当者は「昔、真岡線に直通運転していた時代の名残でしょうか」としています。
真岡線とは真岡鐵道を指し、かつては国鉄の路線でした。当時は小山駅からの直通列車が運行されていたのです。1984(昭和59)年、国鉄真岡線は廃止の危機に直面しますが、地元の反対もあり存続し、1987(昭和62)年には国鉄の分割民営化でJR真岡線となります。現在の真岡鐵道となったのはその翌年ですが、時期を同じくして直通列車は廃止されました。
例えダイレクトにその地へ行かなくても、方面として行先が案内されていれば、利用者にとっては親切でしょう。起点の小山駅に降り立った時、下館駅での乗り換えが必要とはいえ、「ここでは水戸線に乗ればよい」ということが分かります。
似たようなケースは他駅でも見られます。例えば西国分寺駅の武蔵野線ホーム(府中本町方面)には、案内表示に「川崎方面」と記載があります。武蔵野線の列車は川崎駅へは行きませんが、終点の府中本町駅で南武線へ乗り換えれば到達でき、方面としては正しいです。
ちなみに水戸線~真岡鐵道間の直通列車ですが、近年ではイベント列車として、臨時のSL列車が運行されることがあります。
【了】
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