「車中泊」と「キャンピングカー」の“壁”とは? 実は明確な違い 流行ってるからってコスパで選ぶと後悔する!?
キャンピングカー価格上昇 それでもメリットはある!
キャンピングカーは断熱性能が強化されることに加え、エンジンOFFで使えるガスヒーターを装備しているものも多いです。寒い中、断熱性能が低い普通のクルマでは、エンジンOFFでの就寝は厳しいことを認識していくべきでしょう。
実際、冬の車中泊では、寒くて一睡もできなかったということも多々あると聞きます。しかし、エンジンONでの就寝は、環境負荷や騒音の発生などの問題に加え、降雪地では、就寝中の降雪でマフラーが埋まってしまうと、一酸化炭素中毒の危険も生じます。車中泊と言えど、冬のキャンプを想定した防寒対策が必要なことを意識しましょう。
とはいえ、気候が良い時期や涼しい場所など、快適なキャンプ環境ならば、車中泊車でもゆっくりと眠ることができます。そして、快適さと機能を追求したキャンピングカーであっても、装備内容は様々であることも忘れてはなりません。
近年では、ソーラーパネルやリチウムイオンバッテリーの普及もあり、車内の電装が強化され、車載用クーラーが人気に。その結果、機能性が向上するととともに、キャンピングカーの価格も上昇傾向にあり、そこに資材高騰による製造コスト増も相まって、価格を押し上げています。
価格では有利な車中泊車ですが、高価なキャンピングカーは中古車にも安定したニーズがあるため、リセールバリューが良いという強みもあります。だからこそ予算だけでなく、自身が想定する使い方を考慮した上で、車中泊車かキャンピングカーか、どこまでの装備を揃えるべきなのか、しっかりと検討する必要があるのです。
【了】
Writer: 大音安弘(自動車ライター)
1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『ナビカーズ』『オートカーデジタル』『オープナーズ』『日経トレンディネット』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。
コメント