極東最大の米軍基地「嘉手納」ナカはどうなってる? 戦闘機ズラリ、ショッピングモールに学校…でもなんかある!
続いて居住区へ
そのほかのF-22は兵器倉の扉が開かれていましたが、駐機状態では胴体脇の兵器倉からのぞく発射装置を前方に傾けて出しているのが分かりました。これは、空中での使用時と同じ状態です。エンジン排気口の後ろにある推力偏向装置も、駐機時は「ハ」の字型に開くのが確認できました。
一方F-16は、空気取り入れ口の右下に付くライトニング照準ポッドを降ろし、再び取り付ける作業が行われていました。作業は手際よく行われてはいたものの、複数の機種による暫定配備は、支援機材をそろえる必要も考え合わせると、長期的には負担もあるように感じました。
この後、向かったのは兵士や家族が暮らす居住区のショッピングモール。日本の各地にも多くのショッピングモールがありますが、それらと同じように店前には広い駐車場があります。ただ、嘉手納基地のモールには、ちょっと不思議な施設も。
それは、モールの入り口に建てられた赤い鳥居です。沖縄県読谷村には、通称「トリイステーション」と呼ばれる米陸軍の通信施設があり、ゲートに並んだ鳥居が目を引きます。ここ嘉手納基地内にもある鳥居にも、米国人が好む東洋趣味的なものを感じました。
モールの店内は1階がフードコート、2階に日常品やスポーツ用品などが並び、カジュアルな服を着た家族連れやユニホーム姿の兵士が鳥居をくぐり買い物をしていきます。ちなみに、基地の報道担当の女性兵士が購入し、おすそ分け頂いたお菓子は、いかにもアメリカ的な甘さで美味。この味で基地の中が米国なのだと改めて感じました。
モールの近くには小学校から高校もあり、日本と同じリズムのチャイムが聞こえてきます。のどかで日常的な風景は、基地の中であることを忘れさせるほどでした。
【了】
Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)
さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。
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