海自「空前の巨大戦闘艦」新たなイメージ明らかに 武装テンコ盛り!? 建造へ準備着々
着々と設計が進んでいます。
「イージス・システム搭載艦」新イメージが公開
防衛省は2024年8月30日、来年度予算の概算要求の概要を公表。その中で、今年度から建造が開始される新艦種「イージス・システム搭載艦」の新たなイメージ画像を公開しました。
イージス・システム搭載艦は、配備が中止された陸上配備型イージス・システム「イージス・アショア」の代替となる艦艇です。従来のイージス艦は、対空レーダーとしてSPY-1を搭載するのに対し、イージス・システム搭載艦は「イージス・アショア」用だったSPY-7レーダーを搭載します。
基準排水量は1万2000トン、速力は約30ノット(約55.6km/h)。動揺に強く、居住性も向上させる方針が示されています。乗組員は約240人となる見込みで、これまでのイージス艦より20%以上の省力化が図られます。
就役後は、西側で最大の水上戦闘艦となる見込み。主にBMD(弾道ミサイル防衛)を担当し、「最新鋭イージス艦と同等以上の能力」が付与される予定です。これにより、既存のイージス艦8隻がBMD任務から解放され、南西諸島方面の洋上侵攻阻止に振り向けることも可能になります。
2024年2月に基本設計が完了し、現在は詳細設計が進んでいる段階。3月にはSPY-7レーダーの試験が実施され、初めて宇宙空間の物体を探知・追尾することに成功しました。5月には、世界で最も出力密度が高いロールス・ロイス製の船舶用ガスタービンエンジン「MT30」を搭載することが決定するなど、建造に向けた動きが本格化しつつあります。
2024年度予算では、イージス・システム搭載艦の整備費用として3797億円(2隻分)を計上。2027年度に1番艦、2028年度に2番艦が就役する予定です。2025年度予算の概算要求では、「イージス・システム搭載艦の整備に伴う関連経費」として808億円が計上されました。今後、装備の実射試験を含む各種試験の準備を進める方針が示されています。
詳細設計の本格化に伴い、2024年7月に公表された防衛白書では、以前より実艦に近づいたイメージパースが明らかになっています。今回の概算要求資料でも、別の新たなイメージパースが公開されました。
主要装備は「SM-3ブロックIIA」弾道ミサイル迎撃誘導弾や、HGV(極超音速滑空兵器)への対処能力を持つ「SM-6」対空ミサイルなどを想定。各種能力が向上するため、 VLS(垂直発射装置)は現時点で最新となる、まや型護衛艦の96セルから128セルに増強されます。
船体が大型のため拡張性にも優れており、2032年以降、敵の脅威圏外から攻撃が可能な「12式SSM能力向上型」や「トマホーク」巡航ミサイルなどを搭載する予定。ドローンによる飽和攻撃に対処する高出力レーザーなども装備する見込みです。
【了】
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