運転免許の取得費「全額出します」も!? 異例の公的支援が受けられて、“近所にも喜ばれる”方法とは

他にもあるぞ! 消防団で得られる「資格」の数々

 消防団の活動は、もともと仕事を持った人たちが担っているので、団員として活動することで仕事の時間が削られるということも少ないです。何より地域貢献をしながら、自分の時間との両立を計ることができます。

 運転免許の取得支援は、すでに普通免許を所持している人が「準中型免許」を取得する場合と、普通免許を持っていない人が「準中型」を取得しようとする2種類のケースが想定されています。準中型免許では、車両総重量7.5t、最大積載量4.5t未満の車両を運転することができます。普通免許と同じ18歳以上で取得が可能なので、普通免許を持たない場合でも措置が可能なのです。

 例えば、埼玉県三郷市では準中型を取得した人に対して上限15万円の補助があります。この対象に普通免許を持たない人も含まれます。

 長野県松本市の場合は、準中型、中型、大型自動車免許の取得費用が補助の対象になります。準中型は全額、中型・大型免許は準中型で必要となる費用が上限です(普通免許の所持者が対象)。愛知県碧南市でも同様の補助が実施されています。地域によって補助額の差があります。また、全国共通で合宿などでの宿泊費、追加の講習費用などは補助対象額に含まれません。

 普通免許を持っていない場合、準中型免許の取得には、最短で17日。技能41時間、学科27時間が必要ですが、こうした制度でかなり取得に手が届きやすくなるのではないでしょうか。

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準中型免許の創設以降、普通免許で運転できる消防車の範囲が狭まってきている。写真はイメージ(画像:写真AC)。

 補助を受けた場合には、消防団員を一定期間続ける必要があります。全国的に5年間消防団に在職し、消防団活動を続けることが条件です。

 このほかにも入団することで危険物取扱者(乙種第4類)、チェーンソー特別教育、小型移動式クレーン技能講習、玉掛け技能講習、車両系建設機械運転技能講習(整地・運搬・積込み用及び掘削用)、防災士などの資格取得にも補助があります。

 消防団活動は市区町村の狭い地域がひとつの単位になっているので、補助制度の条件は全国一律ではありません。詳細は地域によって違いがあるので、住んでいる地域の自治体への確認は必要です。

【了】

【なんで?】免許取得の補助金を出す「切実な理由」(画像)

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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