キヤノン伝統の“白レンズ”が、まさかの黒いレンズでも登場! そのワケは? 4種類の新レンズ発表!
キヤノンは2024年10月30日、大口径望遠ズームレンズ「RF70-200mm F2.8 L IS USM Z」など4種類のレンズを発表しました。
4種類のレンズ発表でさらにRFレンズが拡充!
キヤノンは2024年10月30日、大口径望遠ズームレンズ「RF70-200mm F2.8 L IS USM Z」など4種類のレンズを発表しました。これらの製品は11月中旬から12月下旬にかけて発売され、キヤノンのRFレンズラインアップがさらに拡充します。
今回発表されたのは大口径望遠ズームレンズ「RF70-200mm F2.8 L IS USM Z」、大口径単焦点Lレンズ「RF24mm F1.4 L VCM」と「RF50mm F1.4 L VCM」、3D撮影用レンズ「RF-S7.8mm F4 STM DUAL」の4種類です。
「RF70-200mm F2.8 L IS USM Z」はズーム時に鏡筒が前後しない全長固定ズームを搭載することで、カメラ全体の重心が変化しにくく、安定したフレーミングで撮影が可能となっています。
現在販売中の「RF24-105mm F2.8 L IS USM Z」や「RF35mm F1.4 L VCM」と同様に、アイリスリングの搭載とパワーズームアダプターの対応による快適な操作性の実現によって動画撮影の際にも優れた操作性を実現しているとのことです。
カラーはブラックとホワイトの2色展開です。キヤノンでは以前から望遠レンズについて、炎天下の屋外などでの使用も想定し、光を吸収しにくい白色を外装に採用。通称「白レンズ」と呼ばれてきました。しかし今回はブラックも登場。ホワイトは動画撮影時の映り込みなどに配慮する必要があるため、その観点からブラックも登場させたということです。
描写性能については2019年11月に発売された「RF70-200mm F2.8 L IS USM」と同等以上の高画質を実現しているといいます。これは「非球面レンズ」3枚、「スーパーUDレンズ」2枚を含む15群18枚の光学設計により、画質劣化の原因となる諸収差を低減したことによるそうです。
AF性能や手ブレ補正機能については、2つのフォーカスレンズ群を2つの「ナノUSM(超音波モーター)」で個別に駆動して最適に制御する「電子式フローティングフォーカス制御」を採用することで、無限遠から至近までの高画質化、動画撮影時にフォーカスを操作すると画角が変動してしまう「フォーカスブリージング」の抑制、高速・高精度な静止画AFと静かでなめらかな動画AFを実現しているそうです。
また、レンズ内光学式手ブレ補正機構により5.5段、ボディー内手ブレ補正機構を搭載しているEOS Rシリーズのカメラとの組み合わせでは協調制御を実現し、「EOS R1」(2024年11月発売予定)装着時には、中央7.5段、周辺7.0段の手ブレ補正効果を発揮するとのことです。
2024年11月下旬の発売を予定しており、キヤノンオンラインショップ販売予定価格は49万5000円(消費税込み、以下同)です。
軽量・小型・高画質を実現した単焦点レンズが2種登場
大口径単焦点Lレンズ「RF24mm F1.4 L VCM」と「RF50mm F1.4 L VCM」は開放F値1.4からくる大きく美しいボケ味を生かし、被写体を際立たせた表現と、夜間や室内などの暗いシーンにおいても、感度を上げずに撮影できるため、ノイズの少ないクリアな静止画・動画撮影を実現するとしています。
また、質量の大きいフォーカスレンズユニットの駆動に適した「VCM(ボイスコイルモーター)」と「ナノUSM(超音波モーター)」を組み合わせた「電子式フローティングフォーカス制御」により、優れたフォーカシングを実現。高速・高精度なAFに加え、動画撮影時には静かで滑らかなピント合わせが可能といいます。
また、前述の「フォーカスブリージング」を徹底的に抑制する優れた光学設計により、画角変化の少ない安定した構図での動画撮影も可能とのことです。
「RF24mm F1.4 L VCM」は質量約515g、「RF50mm F1.4 L VCM」は質量約580g、全長はいずれも約99.3mmの小型・軽量設計を実現し、優れた機動性を発揮。また、アイリスリング(絞りリング)を搭載し、主に動画撮影中の絞りのマニュアルコントロールが可能といいます。
両製品ともに2024年12月下旬の発売を予定しており、キヤノンオンラインショップ販売予定価格は「RF24mm F1.4 L VCM」が25万3000円。「RF50mm F1.4 L VCM」が23万6500円です。
3D撮影レンズが手の届きやすい価格に!
「RF-S7.8mm F4 STM DUAL」は3D映像撮影用レンズとしてAPS-Cサイズカメラに対応したものです。2021年に3D VR映像撮影システム「EOS VR SYSTEM」を立ち上げたキヤノンは、幅広い分野におけるVR(Virtual Reality:仮想現実)映像制作をサポートしてきました。
そのような中で、ユニークな映像表現に挑戦したいクリエーターのニーズに対応した3D映像撮影が可能な「EOS VR SYSTEM」のRFレンズとして、本製品がラインアップに加わったといいます。
同社はVRを「そこにいるかのような」映像、3D映像については「そこにあるかのような」映像と表現しています。
本レンズでは「EOS VR SYSTEM」用のPCアプリ「EOS VR Utility」を使用して、3D Theater(3D映像)形式での出力に加えて、180°VRフォーマット、360°VRフォーマット、「Apple Vision Pro」の「空間ビデオ」に対応しています。
また、「Adobe Premiere Pro」専用プラグイン「EOS VR Plugin for Adobe Premiere Pro」を用いて、180°VRフォーマットへの変換ができるなど、さまざまな視聴フォーマットに対応しているとのことです。
同レンズは2つのレンズの間隔を2024年6月に発売した「RF-S3.9mm F3.5 STM DUAL FISHEYE」より狭い約11.8mmとしています。
これにより、従来は立体感などが表現しづらかった被写体までの距離が50cm未満の近接撮影でも、質感や立体感を担保した映像を実現し、まるでそこにあるかのような3D映像の撮影を楽しめるとしています。
「RF-S7.8mm F4 STM DUAL」は2024年11月中旬の発売を予定しており、キヤノンオンラインショップ販売予定価格は7万7000円とのことです。
VR・3D撮影に対応する機材は、カメラを含め40万円程度からのものが多いなか、本システムは「EOS R7」+「RF-S7.8mm F4 STM DUAL」で約28万円と低価格化を実現。キヤノンは「誰もが3D撮影を楽しめる時代へ」と、価格面のアピールをしていました。
【了】
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