あの日から69年 走り続ける「被爆電車」

走り続ける2両の「被爆電車」

 原子爆弾の被害を受けた車両のうち、650形車両の651号車と652号車が歴史を伝える「被爆電車」として、今なお現役です。

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広島電鉄の650形651号車。1942(昭和17)年に大阪の木南車両で製造された。

 651号車は爆心地から1km弱離れた市役所付近で被爆。半焼してしまいましたが、翌1946(昭和21)年3月に修復され、再び走り出しました。

 652号車は爆心地から4.5kmほど離れた宇品(広島港)付近で被爆。幸いにも大きな損傷は受けなかったため、早くも8月中に再び走り出しました。

 このほかにも被爆、修復を経て復帰した車両は多くありますが、いまも現役であるのは651号車、652号車の2両のみです。主に平日のラッシュ時に使用されているほか、8月6日には毎年運転されています。

 また広島市交通科学館には、同様に被爆したのち復活した「被爆電車」の654号車が展示されています。654号車は爆心地から約3km離れた江波付近で被爆、大破したのち、翌1946年2月に復旧。2006(平成18)年まで走り続けました。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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