陸自新ヘリUH-X、その特徴は 選定にはオスプレイの影響も?

陸上自衛隊は7月、「新多用途ヘリコプター(UH-X)」にベル412EPIを選定しました。どんな背景から、その機体に決まったのでしょうか。そこには「オスプレイ」の姿もうかがえます。

長くない航続距離、離島防衛で使えるのか?

 兄弟機とはいっても、UH-1Jとベル412EPIは、外見が似ている以外に設計の共通点はほとんどありません。なかでも最大の違いは、ベル412EPIはエンジンを2基搭載した「ツインパック」になっていることです。

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手前がUH-1J。「UH-X」ベル412EPIの兄弟機ともいえるが、違いは大きい(関 賢太郎撮影)。

 ひとつのエンジンが停止する確率は、平均16万6700時間に1回。よって導入した140機全機が約6000飛行時間の寿命を使い切るまでに、3.6回はエンジンが停止する計算となります。しかしエンジンが2基あれば、それが同時に停止する確率はほぼゼロとみなせるため、飛行能力は失われません。

 陸上自衛隊はこれまでの北海道重視から、南西諸島における離島防衛へと転換しつつあります。すなわち必然的に海上飛行が多くなるため、「ツインパック」のベル412EPIを使うことによる安全性の向上は、大きな利点です。またメインローターについても、UH-1Jの2枚から4枚へとブレードが追加されています。

 ベル412EPIの航続距離は最大663km。UH-1Jより約2割改善されてはいるものの、UH-60JA「ブラックホーク」の半分にすぎず、離島防衛においてやや不利であることは否めません。しかし海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦や輸送艦を拠点として活用できるため、大きな問題とはならないでしょう。

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