陸自新ヘリUH-X、その特徴は 選定にはオスプレイの影響も?

陸上自衛隊は7月、「新多用途ヘリコプター(UH-X)」にベル412EPIを選定しました。どんな背景から、その機体に決まったのでしょうか。そこには「オスプレイ」の姿もうかがえます。

「オスプレイ」による予算圧迫も一因?

「新多用途ヘリコプター(UH-X)」はベル412EPIのほかに、欧州のエアバス・ヘリコプターズが新規開発するX9も候補でした。両機ともに陸上自衛隊が求める要件を満たしていましたが、性能面ではエアバスX9が勝っていたとされます。しかし前述のようにベル412EPIはすでに実績があり、「安価ながらそこそこの性能」である点が大きく評価されたものと推測されます。

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「固定翼モード」で飛行する米海兵隊のMV-22B「オスプレイ」(関 賢太郎撮影)。

 また陸上自衛隊はベル412EPIに先んじ、ひと桁高価なベル/ボーイングV-22「オスプレイ」(1機約100億円)ティルトローター機を17機導入します。この「オスプレイ」が予算を圧迫していることから、安価なベル412EPIを選ばざるを得なかった、というのが本当のところなのでしょう。

 いずれにせよ、ベル412EPIはUH-1の系譜を引き継ぎ、将来にわたって陸自の主力ヘリコプターとして運用されることになります。

【了】

Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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