海を飛ぶ高速船ジェットフォイル、消滅の危機 災害時に有用も

有用な船なのになぜ造れない?

 一昨年の2013年10月26日、伊豆大島を襲った豪雨は死者・不明者39人という大災害をもたらし、その記憶はまだ新しいものです。

 東京や熱海と伊豆大島を結ぶ航路では、東海汽船がジェットフォイルを運行しています。同社の山崎潤一社長は、この災害時の救援活動について「迅速さが求めらる災害対応ですから、ジェットフォイルが果たした役割はとても大きかったですね」と振り返ります。

 その理由について山崎社長は、「この船は、まず(スピードが)速い。それに揺れません。快適ですし、小回りが利く」と続けます。

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ジェットフォイルを運行する東海汽船の山崎潤一社長(2015年10月15日、若勢敏美撮影)。

 大島航路は、観光に加えて生活航路としても重要です。2015年10月24日(土)には、ANA(全日空)による航空便が廃止され、島民の足としてもジェットフォイルの役割は、ますます大きくなっています。

 現在、東海汽船は4隻のジェットフォイルを運航。そのうち、今年2015年1月に就航した「セブンアイランド大漁」は、船齢33年を迎えた「セブンアイランド夢」の代替船として新造する予定でした。しかし結局は先述の通り新造が難しく、JR九州が博多~釜山間で使っていた中古船を購入してまかなうことになっています。

 それは、ジェットフォイルの唯一のメーカーである川崎重工が、5隻程度のロット需要が見込めなければ建造体制を組めないとしたためです。

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コメント

5件のコメント

  1. ジェットフォイルの消滅危機とその原因を初めて知りました。他では殆ど目にしない報道で、しかも日本の島嶼の維持に極めて重要な問題なんですね。大島の航空便が羽田撤退で調布になっている現状の背景も解った気がします。

  2. 政党交付金や無駄なODAを削ってここにあてれば問題ないでしょう。

    • むしろODA予算でASEAN諸国へ輸出すべきでは?

  3. 島に住む人にとっては緊急時の最速輸送になるから
    病気になっても安心できるのではないのだろか
    観光客には大した事でもないだろけど

  4. 国の総合的な離島交通振興対策として船会社に対する建造費補助をするなり、海上自衛隊のジェットフォイルの艦艇部隊を地方隊に常置させるなり、あるいは輸出品として海外に輸出して毎年まとまった隻数を確保して造船所の稼働率を安定させる。これだけ培ってきた技術と施設を無にするのは惜しいことである。