JAL機内食に大勝軒「つけめん」 空での「通の食べ方」再現に苦労
JAL国際線の機内食が12月から冬メニューに。大勝軒の「つけめん」が初登場しますが、その“通な食べ方”も機内で再現されています。
機内での“あつもり”再現に苦心
JAL(日本航空)が、欧州線・米州線・豪州線のプレミアムエコノミークラス・エコノミークラスで、到着前の食事として提供している「AIRシリーズ」。2015年12月1日(火)から提供されるその「AIRシリーズ」冬メニューを、少しだけ早く味わってきました。
まずは、東池袋大勝軒(以下、大勝軒)の「つけめん」。機内食には初登場で、到着前2回目の食事として提供されます。
大勝軒は「つけめん」発祥の店といわれ、多くのファンを持つ名店。その味に、「AIR大勝軒」の「つけめん」はどこまで迫ることができたのでしょうか。
大勝軒の「つけめん」は、“あつもり”という食べ方が通のあいだで知られています。冷水でしめた麺を再び湯にくぐらせ、釜揚げのような熱々の状態で、温かいスープにつけて食べるというものです。その“あつもり”が機内食でも再現されていました。
店と同じ小麦粉を使用した麺は、コシがあって、見た目も艶やか。「麺が固まらず、ほぐれやすくなるように試行錯誤を重ねました」(JAL 商品・サービス企画本部 綱島さん)とのことで、大勝軒の麺が持つモチモチした食感が追求されています。
なお、機内では麺を茹でられないので、オーブンで加熱して“あつもり”に。その際、麺のモチモチ感が損なわれないようにするのが、最も苦労した点だそうです。
一方、麺をつけるスープは、コクがありながら甘酢のさわやかさが効いて、飽きのこない味。スープの分量については、機内での取り扱いを考慮し、こぼしにくく、かつ残りにくいように気を配っているといいます。
スープに入れる具材は、煮玉子・チャーシュー・もやし・シナチク・なると。これらは、そのまま“おつまみ”として食べることも想定した味に仕上げられていました。
ちなみに、デザートとして添えられたリンゴは、大勝軒にゆかりの食材ということで選ばれています。創業者の故・山岸一雄さんは、リンゴの産地である長野県出身。山岸さんは、実家から送られてきたリンゴを店で常連にふるまったり、スープをつくる寸胴鍋に入れたこともあったそうです。
大勝軒の代表を務める飯野敏彦さんは「大勝軒の味が、空を飛んで世界に広まることが何よりうれしい」と話します。ただ、これまで築いてきた大勝軒の味とイメージを守る意味でも、「機内食だから」という理由で妥協はできなかったとのこと。そのため、「AIR大勝軒」の「つけめん」開発には、およそ1年の月日が費やされたそうです。
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