「悲願の鉄道延伸&新駅」実現なるか? さいたまの“鉄道ない田園地帯”に大変化の兆し 開発規模拡大を検討へ
さいたま市は、埼玉高速鉄道の岩槻延伸に向けて、浦和美園~岩槻間に設ける中間駅周辺の開発規模拡大を検討します。民間事業者のヒアリング結果などを踏まえ、開発規模を拡大することで、延伸の事業性を高めたい考えです。
民間事業者「住宅地としてのポテンシャル高い」
2023年3月に市が策定した中間駅周辺のまちづくり方針によると、駅周辺を「集合住宅エリア」「商業エリア」「戸建てエリア」「産業エリア」「公園」などに分けて整備し、定住人口およそ4000人程度、開発規模は45~65ha規模とすることを想定していました。ただ市は、まちづくりの規模の見直しを検討しています。
中間駅周辺の開発規模(土地区画整理事業)が、浦和美園駅や八千代中央駅(千葉県)、みらい平駅(茨城県)、吉川美南駅(吉川市)といった、近年の類似する駅周辺開発より小さいとの指摘があります。コロナ禍や都心部の地価高騰なども踏まえ、まちづくりの規模を見直す必要があるとしています。
また、市が実施した民間事業者へのヒアリングでは、デベロッパーなどから「住宅地としてのポテンシャルが高く、開発規模を拡大すべき」といった声があがったとのこと。商業施設事業者からは「まちの規模や採算性を考慮すると、周辺人口1万人以上が理想」「道路ネットワークの強化が必要」という声が寄せられたとしています。
周辺地域を対象に開催されている、まちづくりワークショップや勉強会でも「駅からの距離を考慮し、施行区域を拡大した方が良い」「生活の利便性が向上するような商業施設が必要」という意見があがったそうです。
開発規模を拡大した場合、基盤整備のコストが増えるものの、税収や経済波及効果が増加し、鉄道とまちづくりの相乗効果が高まるとしています。鉄道利用者が増えれば、延伸の事業性が高まり、鉄道施設への投資可能額も増えるというわけです。
市は今後、中間駅周辺での区画整理事業について、2025年度以降に基本設計や事業計画の作成に入るスケジュールを想定しています。
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