レアなJR急行、静岡を走る 「グランシップトレインフェスタ」で 実物大ミニ四駆も

定期運行が終了し、レアな存在になったJRの急行列車が、静岡県内で運転されました。日本最大級という鉄道イベントに伴い運行されたもので、車両基地や実物大「ミニ四駆」などの見学もあわせてすることができます。

「静岡の鉄道」が集結 駅弁も

 2016年3月26日、北海道新幹線が開業したダイヤ改正で、全国のJR線で急行列車の定期運行が終了しました。最後まで残っていたのは、青森~札幌間の夜行急行「はまなす」です。

 そんな“レア”な急行列車が2016年5月14日(土)、JR線を走りました。熱海~東静岡~浜松間で運行された「トレインフェスタ号」です。

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JR東海が臨時運転した373系電車による急行「トレインフェスタ号」(2016年5月14日、恵 知仁撮影)。

 この日、東静岡駅(静岡市葵区)付近で開催された鉄道イベント「グランシップ トレインフェスタ 2016」にあわせて全車指定席で運行されたもので、JR東海によると、指定席券はほぼ完売だったとのこと。「はまなす」廃止以降、たまに臨時運行される程度になったJRの急行列車。高い注目度がうかがえます。

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広い会場を鉄道模型が行き交う「グランシップ トレインフェスタ 2016」(2016年5月14日、恵 知仁撮影)。

「グランシップ トレインフェスタ 2016」は日本最大級という鉄道イベントで、30以上の団体が鉄道模型ジオラマの展示、ミニSLの運行などを行っているほか、JR東海や大井川鐵道、遠州鉄道といった同県内を行く鉄道会社9社がブースを出展。静岡県の5社による駅弁も販売されるなど、「静岡の鉄道」が集結したイベントといえます。“世界一”とも表現される「原鉄道模型博物館」(横浜市)の展示品も、JR九州の観光列車になった「或る列車」など、一部を見ることが可能です。

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静岡鉄道の長沼車庫では『ちびまる子ちゃん』のラッピング電車も(2016年5月14日、恵 知仁撮影)。

 会場の静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」から歩いて行ける距離にある静岡鉄道の長沼車庫も、「サテライト会場」として一般公開されます。

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タミヤ本社では1分の1スケールの「ミニ四駆」(写真)やF1マシンを見学できる(2016年5月14日、恵 知仁撮影)。

 また「グランシップ トレインフェスタ」は「ホビーのまち静岡」の一環として実施されており、世界的な模型ショー「静岡ホビーショー」や、模型メーカー・タミヤ本社の一般公開などとあわせて見学できるのも大きなポイントです。会場間には臨時の循環バスも走行。各イベントとも入場無料で、明日5月15日(日)も開催されます。

 ちなみに、「グランシップ トレインフェスタ」は2016年で18回目の開催ですが、臨時急行「トレインフェスタ号」の運転は今年が初。JR東海によると、東静岡駅に急行列車が停車したのも今日が初めてだそうです。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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