トンネル入口「斜めカット」には意味があった! おしゃれ目的ではない狙いと効果とは

山を貫く道路のトンネルで、入口が「斜めにカット」されたようなものが増えています。どのような狙いがあるのでしょうか。

「無意識に減速」防止の効果も?

 新しい高速道路や幹線道路は、トンネルの入口が「斜めにカット」されたものが増えています。トンネルの入口といえば垂直が一般的でしたが、近年ではまるで“ちくわ”を斜めに切ったような断面です。どのような狙いがあるのでしょうか。

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新東名高速のトンネルの多くは入口が斜めにカットされている(画像:Google earth)。

 この「斜めカット」の特徴的なデザインは、新東名高速など、近年整備が進んだ路線で多く見られます。NEXCO中日本によると、斜めカットの目的は「ドライバーがトンネルに入る際に感じる圧迫感をなくすため」。垂直な開口部に比べて視覚的に広がりが感じられるため、トンネル進入時の心理的な抵抗感が和らぎ、スムーズな走行が促されるといいます。

 さらに、渋滞対策として斜めにしているわけではないものの、結果的にその効果も得られているといいます。

 同社によると、斜めカットのトンネルは「以前から存在しますが、新東名を建設するころから増えてきた印象」とのこと。ただし景観に配慮する観点もあるため、斜めカットを採用するか否かは、地形にもよるといいます。

 このような設計は、ドライバー心理に関する研究の進展や、交通安全・快適性向上の取り組みが背景にあります。近年ではAI(人工知能)やドライブレコーダーの走行データ分析を活用し、運転時のストレス要因や速度変化の傾向が可視化されるようになったことも、設計方針に影響を与えているとされます。

【写真】トンネルの斜めの入口と普通の入口、空から見ると

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