大型風洞7月再開 最大400km/hの風で鉄道車両の空力騒音や空気抵抗など測定
鉄道総合技術研究所の「風洞技術センター」にある「大型低騒音風洞」のリニューアル工事が2016年7月15日に竣工します。
直径5mの送風機を設置
鉄道に関する研究開発、調査などを手掛けるJRグループの公益財団法人鉄道総合技術研究所(鉄道総研)は2016年5月26日(木)、滋賀県米原市の「風洞技術センター」において進めている「大型低騒音風洞」のリニューアル工事について、今年7月15日(金)に竣工し運転を再開する予定であることを発表しました。
「大型低騒音風洞」とは長さおよそ1mの羽根12枚からなる直径5mの主送風機によって、人工的な風を全長228mある周回状のトンネル(風路)に発生させ、測定部に設置した実機や模型に風を当てて、空力騒音や空気抵抗などを測定する設備です。
測定部における最高風速は400km/h。また、測定部に測定対象がないときの騒音レベルは75デシベルで世界トップクラスといいます。ちなみに騒音レベルについて、地下鉄の車内(窓を開けたとき)が80デシベル、騒々しい事務所の中や街頭が70デシベルといわれています。
この「大型低騒音風洞」は1996(平成8)年に運転を開始。鉄道車両の空力騒音や空気抵抗、横風の影響評価などについての研究と開発に使用されてきました。しかし、経年劣化による故障が散見されるようになったことなどから、2015年5月、リニューアル工事に着手。今年5月9日(月)には、風洞の心臓部にあたる新たな7000kwモーターが、国内最大級の550tクレーンを用いて搬入されました。
リニューアル後はモーターの加減速性能が向上することから試験効率が向上。また、電気を効率良く使う仕組みを採用することから省エネルギーにも寄与するといいます。
鉄道総研はこの「大型低騒音風洞」について、再開後も引き続き「世界トップクラスの風洞性能と安定的な稼働」を維持し、研究開発や受託試験に貢献していくとしています。
【了】
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