ジェットフォイルよりゆったり、でも速い!! 瀬戸内海をぶっ飛ばす「高速船」引退前に乗ってみた 「こりゃ新幹線グリーン車だ」
双胴水中翼船の「スーパージェット」は、最高速度32ノット(59.3km/h)という高速性能をはじめ、様々な特徴を備えていますが、今後、新型船へと置き換えられる予定です。その最後の活躍を見届けてきました。
今ならまだ楽しめる 2つの船で瀬戸内クルーズ
帰路は、瀬戸内海汽船の新型船「シーパセオ2」にも乗船しました。松山観光港を14時15分発に出港し、広島港までは2時間40分と「スーパージェット」の2倍の所要時間ですが、船内はかなりの乗船率で、その人気の高さがうかがえます。

「移動する海上公園」をデザインコンセプトとするこの船は、外観・内装ともにデザイン性が非常に高く、高級なリゾートホテルのような雰囲気です。船首部分がほとんどない独特の船型で、客室と船首が一体化しているため、とても前面展望に優れています。
最前列「パノラマ・ソファ」は階段状にゆったりと座席が配置され、圧巻の眺望性。その後ろにはゆったりとしたリクライニングシートが並ぶ「リラックス・シート」エリアがあります。靴をぬいでくつろげる半個室区画「OZASEKI」エリア、ごろ寝できるカーペット敷きの「GORONE」エリアが広がっています。すべて自由席のため、特に「GORONE」エリアはすぐに埋まってしまうほどの人気です。
その後ろは「リフレッシュ・ラウンジ」と名付けられた供食スペースと売店があり、うどんやカレーなどの食事も楽しめます。これらの料理は予想以上にかなり本格的な味わいで、感心させられました。
ほかにも、3階に上がると「しお風のガゼボ」と命名された公園スペースや「しお風のグリーン・テラス」と名付けられた人工芝のスペースも見事なデザインでした。
「シーパセオ2」は、全国のフェリーの中でもトップクラスのデザイン性、静粛性、揺れの少なさを兼ね備えた船で、見どころも豊富です。「スーパージェット」とセットで乗船すると、その対照的な魅力がより深く楽しめると感じました。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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