日本、イタリアと“世界最長級の吊り橋”建設で協力へ 空前のスケールに挑む

トルコのチャナッカレ1915橋や日本の明石海峡大橋よりもはるかに長い吊り橋に。

2012年には一度中止された計画の橋」

 国土交通省は2025年7月8日、中野洋昌国土交通相とイタリアのマッテオ・サルヴィーニ副首相兼インフラ・運輸相が会談を行い、「長大橋の建設、運営・維持管理に関する協力覚書」に署名したと発表しました。

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かつて発表されたメッシーナ海峡大橋の完成イメージ(画像:Stretto di Messina S.p.A.)

 この覚書は、イタリア本土とシチリア島を隔てるメッシーナ海峡に架ける予定の吊り橋の建設事業に関するもので、同橋が完成すれば、中央径間は3300mとなり、現在世界最長であるトルコのチャナッカレ1915橋(2023m)を大幅に上回り、世界最長の吊り橋となる見通しです。

 この事業はかつて2012年に中止されましたが、2023年にメローニ首相のもとで再始動に向けた手続きが進められています。以前の計画では、幅員60.4mの橋において、片側3車線(緊急車線含む)の道路と2本の鉄道路線を併設する構造が想定されていました。新たな計画における構造の詳細は、現時点では明らかにされていません。

 今後、国土交通省はイタリア・インフラ運輸省と協議を重ね、日本がこれまでに培ってきた長大橋の建設・運営・維持管理に関する知見を共有し、本事業の成功に向けた協力を進めます。両国は今後も会合などを通じて技術的な情報交換を行い、協力関係を一層強化していく方針です。

【画像】立派な橋になりそう これが、以前に公開された橋の完成イメージです

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