2週間のつもりが9か月に!? 宇宙ステーション長期滞在の原因となった宇宙船 NASAが重大事故に指定 なにが問題だった!?

アメリカ航空宇宙局(NASA)は2026年2月19日、CST-100「スターライナー」有人飛行試験の失敗について包括的な報告書を発表しました。

史上2番目の有人飛行ミッション達成機…しかし!

 アメリカ航空宇宙局(NASA)は2026年2月19日、CST-100「スターライナー」有人飛行試験の失敗について包括的な報告書を発表しました。

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スペースXの「クルードラゴン」から見たISSにドッキングするCST-100「スターライナー」(画像:NASA)

 スターライナーは、2024年7月3日にアメリカ人飛行士2名を乗せて打ち上げられたボーイング製の宇宙船です。

 民間企業が開発した機体としては、スペースXの「クルードラゴン」に次ぐ史上2番目の有人飛行ミッションを達成しました。しかし、国際宇宙ステーション(ISS)に打ち上げた後、推進装置の故障などのトラブルが発生。当初、ISSに1〜2週間程度滞在予定だった宇宙飛行士2名は、滞在期間が約9か月に大幅延長され、最終的にはスペースXのクルードラゴンで帰還しました。

 NASAはスターライナーのトラブルに関して、2025年2月以降、外部の専門家も招いて調査チームを編成し、原因の究明を行っていました。

 調査の結果、NASAは今回のトラブルを、死傷者や機体損失を招く深刻な事故に適用される「タイプA事故」に正式に認定しました。調査により、複数のハードウェア故障、認証上の不備、指導上の誤りなどが相互に作用し、NASAの有人宇宙飛行安全基準と整合しないリスクを生み出していたことも明らかになりました。なお、「技術的な根本原因の解明作業は現在も継続している」とのことで、今後さらに詳細な問題が判明する可能性もあります。また、アメリカ国内の一部報道では、ボーイングの開発体制が不十分だったことが原因であるとする関係者の話も報じられています。

 今回の問題に関し、ジャレッド・アイザックマンNASA長官は、今回の事故に関して「技術的な問題に加え、NASAは、宇宙飛行士を地球低軌道や国際宇宙ステーションへ輸送できる能力を持つ宇宙船の2社体制(スペースXとボーイング) を維持するという全体的なプログラム目標を優先するあまり、ミッション中および直後の工学的・運用上の判断に影響を及ぼすことを許容していたことが明らかです」とNASAの開発スケジュール優先の体制が、結果的に安全性の軽視となってしまったことを陳謝し、「同様の状況が再発しないよう指導体制の責任を明確にします」と再発防止を約束しました。

 今回の報告書を受け、NASAは是正措置を講じ、今後のスターライナー飛行およびすべてのNASAプログラムにおける乗員とミッションの安全確保に教訓を活かす方針です。準備が整うまではスターライナーを再飛行させない予定です。

【この頃は調子よかった…】ISSにドッキングする直前の「スターライナー」(写真)

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