豪州で日本の「改もがみ型」が次期フリゲートに!? …ちょっと待て、そもそも「フリゲート」ってどんな艦艇?
外国基準では、もがみ型は一般的に「フリゲート」に分類されます。この艦種はニュースなどでも耳にすることがありますが、イメージしづらいという人も多いかもしれません。
昔と復活した現在では全く役割も違う!
さて、そもそもフリゲートとはどのような艦なのでしょうか。もともとは帆船時代に登場した艦種で、戦列艦に次ぐ大きさを持ち、戦場では偵察、通報、船団護衛、沿岸警備など、多目的に運用されていました。19世紀後半に装甲艦が登場すると、フリゲートは巡洋艦へと発展し、一時的に「フリゲート」という名称そのものが使われなくなります。

ちなみに、イギリス海軍ではフリゲートに商船拿捕の任務も与えられており、奪取した金品が乗組員にも分配されたことから、フリゲート勤務は将兵の間で人気が高かったとも言われています。
「フリゲート」という呼称が再び使われるようになったのは、第二次世界大戦中のことです。イギリスが、駆逐艦よりも小型で対潜能力を備え、量産性に優れた「リバー級」小型艦を開発し、これをフリゲートと呼びました。戦後、イギリス海軍はこの実績をもとに、駆逐艦より小型で、速力24〜32ノット(約44.4〜59.3km/h)、航洋性に優れた艦艇を「フリゲート」と定義。他国もこれに倣い、同様の艦をフリゲートと呼ぶようになっていきました。
とはいえ、「おおむね」という表現を用いたのは、アメリカ海軍が独自の解釈をしていたためです。同海軍では当初、駆逐艦より大型で、対潜・対空能力に加え、指揮・通信機能を強化した艦を「フリゲート」と呼んでおり、それらは巡洋艦に近い存在でした。しかし、こうしたフリゲートは次第に大型化し、1975年には基準排水量5,670トン以上の艦を巡洋艦に、以下を駆逐艦に艦種変更したことにより、米海軍における「フリゲート」は事実上、姿を消すこととなりました。
一方で、第二次大戦中に登場したリバー級フリゲートの満載排水量はおおよそ1900〜2180トンでしたが、戦後のフリゲートは大型化が進み、基準排水量5,800〜6,800トン級の艦もフリゲートと呼ばれるようになりました。駆逐艦も同様に大型化が進んでおり、駆逐艦と巡洋艦の境界も曖昧になりつつあります。そのため、フリゲートの定義は国や任務によって大きく異なっているのが実情です。
コメント