豪州で日本の「改もがみ型」が次期フリゲートに!? …ちょっと待て、そもそも「フリゲート」ってどんな艦艇?
外国基準では、もがみ型は一般的に「フリゲート」に分類されます。この艦種はニュースなどでも耳にすることがありますが、イメージしづらいという人も多いかもしれません。
要はクルマでいう「SUV」みたいなモノ?
2000年代後半以降、世界各国ではそれまで補助的な艦船として位置づけられていたフリゲートを、多様な任務に従事する軍艦へと発展させ、積極的に建造するようになっています。

たとえば、ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ級は、巡航ミサイルや極超音速ミサイル「ツィルコン」など多彩なミサイルを搭載した重武装が特徴です。ほかにも2025年に来日予定のノルウェー海軍フリチョフ・ナンセン級は、簡易的なイージスシステムを搭載するミニイージス艦となっており、同国艦隊の防空の要を務めるほどです。ちなみにこの2隻に関しては満載排水量が5500トン程度でもがみ型に近いですが、世界ではもっと巨大な艦も「フリゲート」扱いを受けています。
オーストラリアでの採用競争でのライバルであったドイツのF126(ニーダーザクセン級)フリゲートに関しては、全長は約166m、排水量は最大1万1000トンになるとされており、この数字は、アメリカ海軍のイージス艦であるアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦よりも若干大きくなります。イギリスに目を転じると新型の大型フリゲートである26型フリゲートの一番艦「グラスゴー」が進水を終え、就役に向けて艤装中ですがこの艦も満載排水量が8000トンで日本のまや型よりも若干小さい程度です。
ここ数年、世界の艦艇トレンドはフリゲートだといっても過言ではないかもしれません。2022年8月には、アメリカ海軍がイタリア製フリゲートのカルロ・ベルガミーニ級をベースに久しぶりにフリゲートを建造すると発表し世界の海軍関係者の注目を集めました。ちなみにこの艦は満載排水量が7000トンクラスです。
現在、世界各国の海軍では中規模の多用途任務に使用する扱いやすい艦を便宜上フリゲートと呼んでおり、明確に共通した定義がある訳ではないようです。クルマのSUVや90年代や00年代前半の親がゲーム機のことを全て「ファミコン」や「ピコピコ」と呼んでいるのと同じような感覚かもしれません。
Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)
ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。
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