成田空港の将来像、必ずしも「ターミナル1つ」とは限らず…? 「第2の開港」の先に予想されうるものとは

成田空港では現在3か所ある旅客ターミナルビルを1つにまとめる「ワンターミナル」化の取り組みを進めています。筆者は、ワンターミナル化後も再び旅客ターミナルビルが複数に増える可能性は拭いきれないと分析しています。

もしターミナルが複数化なら「ワンターミナル」は?

 これに対しては、筆者は「ワンターミナル」の構想実現後、同空港がどのような形に再発展したとしても「理想の使い勝手を追求するキャッチフレーズ」としてこの言葉を使い続けていくことは有効だと考えています。

 成田と羽田を合わせた首都圏空港は、将来の年間発着数として100万回を視野に入れています。成田空港はこのうち半分を受け持ちますが、インバウンド(訪日旅行者)需要の取り込みをさらに増やし発着数を伸ばそうとすれば、やがては100万回以上も視野に入れなければならない時期が来る可能性も考えられます。

 その際、再び実質的な第2、第3旅客ターミナルビルが必要になる可能性は否定できません。しかし「(たとえば実質的に複数ターミナルだとしても)『一』体感のある使いやすい旅客ターミナルビル」を目指す意味で、「ワンターミナル」という言葉を用い、さらにそのコンセプトにあわせ、それぞれのターミナルビルのコネクションや導線を工夫するというのは、多くの乗客にとって拡張後の混乱が減ることにも繋がります。

 実は「ターミナル」という言葉の定義は、世界の空港を見渡すと実のところ曖昧といえます。

 たとえばシンガポールのチャンギ空港は、ターミナル1・2・3がまさに「ワンターミナル」といってもいいほど、密接につながっています。対し、一見では複数に分離しているようなレイアウトにもかかわらず、それぞれのビルに2A~2F(2Gは本館から離れた位置にある)の番号を割り振り、さも一つのターミナルのように見せているフランスのシャルル・ド・ゴール空港第2ターミナルのような例もあるわけです。

 成田に限らず、空港はいずれも発展を続けていけば施設は必然的に増えますが、そこでは、「使いやすさの維持」をいかに両立させるか――というのもポイントとなってきます。

 筆者は、成田空港でもワンターミナルをまず実現させる際に、将来の複数ビル化も視野に入れた設計が必要になると考えています。例えば、ワンターミナルではビル間を結ぶシャトルバスは必要なくなるかもしれませんが、再複数化を見据えてシャトルバスなど空港内交通機関の乗降場の確保も視野に入れておくべきでしょう。

 成田空港で進む機能強化は、例えば、千葉県は公募により2025年6月に計画名を「成田空港第2の開港プロジェクト」に命名すると発表したように、大きな期待がかけられています。

 これには昭和史に残る過酷な反対闘争のために当初想定した体制での開港ができず、さらに開港後も闘争が続いた経緯を持つ同空港が、今後こそは“理想形”でオープンしたい願いも込められていると見て間違いありません。

 今回の成田空港の機能強化が第2の開港であるとともに「真の開港」になってほしいと願うばかりです。

【画像】これが「ワンターミナル」の概念が崩れそうな空港例です

Writer:

日本各地の名産や景勝に興味があり、気ままに目的地を決めて2泊3日程度の 小旅行を楽しんでいる。

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