陸自の「金曜カレー」はどんな味? 海自と陸自が輸送艦に同乗 文化も合流したらどうなった?

2025年4月に新造された輸送艦「にほんばれ」。実はこのフネは、海上自衛隊ではなく陸上自衛隊が運用していますが、毎週金曜には海自の慣習であるカレーが提供されます。陸自が動かす輸送艦では、このような海自と陸自の文化と慣習が入れ乱れる不思議な光景が広がっています。

海自式の慣例は他にも

 海上自衛隊では、金曜にカレーを出す習慣が長く続いています。「曜日感覚を忘れないため」とよくいわれますが、由来は必ずしも明らかではないようで、海自の公式サイトでは「いつの頃からか規則的に週末に食べる慣習が定着してからの説明と考えられます」と紹介しています。今では「海自カレー」「艦めし」などと呼ばれてすっかり有名になっています。各艦、部隊は調理に工夫を凝らして味を競っており、レシピは「防衛機密」とも言われるほどです。

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輸送艦「にほんばれ」(月刊PANZER編集部撮影)

 輸送艦「にほんばれ」でも金曜の昼食近くなると、艦内にカレーの香りがほんのりと漂ってきます。しかし動き回る乗組員の多くが陸上自衛隊の緑色の迷彩服を着ています。実は、「にほんばれ」は海自のフネではないのです。

 海自カレーはその名の通り海自の慣習ですが、陸自には金曜カレーの慣習がないため、陸自が動かすフネで金曜カレーが出るのは不思議な光景でもあります。どの国の軍隊にも陸海空に独自の文化や慣習があり、時には対立さえします。

「にほんばれ」は2025年4月6日に引き渡されたばかりの新造艦で、配備されたのは2025年3月24日に新編された「自衛隊海上輸送群」です。この部隊は陸でも海でもない共同の部隊とされ、人員は陸自隊員が主体となっています。

 陸軍がフネを運用するのは珍しいことではなく、戦前の日本陸軍には船舶部隊がありましたし、現代でもアメリカ陸軍は輸送船舶を運用しています。

「にほんばれ」には約30人が乗り組んでいますが、人数構成は陸自9割、海自1割。陸自隊員主体で動かし、海自隊員がサポートするイメージです。日々の儀礼や運用手順の多くが海自方式に基づいており、人数比とは逆に陸自が海自文化に吸収されつつあるようにも見えます。

 例えば、毎朝8時の自衛艦旗掲揚の君が代ラッパ吹奏は海自式で行われ、乗員が後甲板に整列し敬礼する光景は海自艦そのものです。号令や艦内放送、礼式も海自式です。一方でよく話題になる敬礼の挙手角度の違いはそのままで、特に統制されていません。

 陸自隊員が着用している緑の迷彩服も、陸上勤務用とは異なる特殊仕様です。「戦闘服・艦艇用」という落水時の安全性を重視した仕様で独特の作りとなっています。生地はやや薄い印象で、上衣はボタンではなくファスナー式。袖には反射材が付いています。

 陸自では普通、ズボン裾は半長靴内に収めますが、艦艇用では外に出すのが仕様です。艦艇用ブーツも半長靴とは構造が違ってゆったりしており、サイドファスナーで履き脱ぎも容易です。靴底も硬い甲板上を歩き回っても疲れにくいよう軽く柔らかくできています。落水時に水が抜けやすく、泳ぐのに邪魔になるブーツなどは脱ぎやすくなっています。

【由来は海自?】これが陸自の輸送艦で提供されるカレーです(写真)

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