日本の物流を支える「船員」が足りない! 世界を覆う「船の人手不足」解消のカギは“アフリカ人?”

日本の物流も支えている世界的な船舶管理会社のトップが、船員不足への対策としてアフリカ人船員の採用を増やす方針を示しています。世界の課題となっている船員の不足は解決に向かうのでしょうか。

日本の物流に関係大アリ!?

 WSMは船舶管理会社としては世界で6位から7位の規模で、近い将来の計画として2030年頃までに管理船隊を440―450隻規模まで拡大することを計画しています。

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ウィルヘルムセン・シップマネジメントのハーコン・レンツCEO(画像はイメージ)。

 一方で課題となっているのが船員の不足です。例えば輸出入の99%を海上輸送に頼っている日本の商船隊は外国籍・日本籍合わせて約2300隻が運航されているものの、それを支える船員の国籍はフィリピン(68%)とインド(14%)で約8割を占めており、日本人船員は1.6%にすぎません。

 実はこのフィリピンとインドで船員志望者が減少しつつあり、WSMは船員確保に危機感を抱いています。また、全世界の船員の15%を占めていたロシア人とウクライナ人が、2022年から始まった両国の戦争で確保しにくくなり、不足状況が一気に悪化したといわれています。

 世界的には、特にキャデット(幹部船員候補生)の不足が深刻で、2025年時点で8.5%、2030年には10%足りなくなるとみられます。これは、船舶の運航隻数が全世界的に増えているものの、早期退職や長期休暇などで船から離れるクルーが増加しているうえ、訓練機関における若手人材の受け入れ不足といった要因があげられるでしょう。

 WSMの船員プールは約1万5000人規模でキャデットは約300人。クルー契約に関してはフィリピンとインドの2か所が主要な拠点となっており、両国には訓練センターが設けられています。このほか同社はポーランドやウクライナ、ルーマニアといった東欧エリアの船員を多く確保しています。

 そこでWSMが次に注目しているのが“アフリカ”です。

「現在、人材のネットワークを増やすことを目的に、アフリカのケニアでも船員の育成プログラムを始めた。ケニアには優れた海事アカデミーがあり、同国出身のアフリカ人がクルーズ船で多く働いていることを確認している」と話します。

 今後、日本とのつながりが深い同社がアフリカ人船員を多く採用することで、日本の物流を支えるアフリカ人が増える可能性もあります。

【日本人これだけ!?】日本の貿易量の99%を運ぶ「船乗り」は何人?(画像で見る)

Writer:

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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