潜水艦、原子力と通常動力でどう違う? 差異で明らか、日本に原潜が不要な理由

世界の軍事用潜水艦には大きくわけて、原子力を動力とするものと、ディーゼルエンジンなど通常動力で動くものがあります。海自は原子力潜水艦を保持しませんが、むしろ不要な理由も、その差異にあるといえます。

軍事強国のシンボル? 原子力潜水艦とは

 大海原を見渡しても、その存在を確認することができないことから、潜水艦は究極のステルス兵器とも言われています。

Large 180820 sub 01

拡大画像

アメリカ海軍のバージニア級原子力潜水艦「ハワイ」(画像:アメリカ海軍)。

 なかでも原子力潜水艦は、動力を原子力に頼っているため、半永久的に潜航して任務を継続することができます。実際には食料の問題で半永久的に潜っていることはできないのですが、原子力潜水艦であれば海水を蒸発させて真水を作りだすことができ、それを電気分解することによって酸素も作り出せます。そのため、従来のディーゼルと蓄電池を使った通常動力潜水艦よりも、乗員たちは快適な環境で長期間生活をすることができます。水と電力をほぼ無限に使用することができることから、ロシアの原子力潜水艦にはサウナまで取り付けられているそうです。

 原子力潜水艦を持つ国は2018年現在、アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランス、インドの6か国に限られます。このうち日本をとりまく3国の状況を見てみると、まずアメリカとロシアについて、両国は近年友好なムードを醸し出していますが、それでもお互いをライバル視しているため、海の中でも両国は睨み合っています。そして中国は海洋覇権を狙っているため、第1列島線と呼ばれる日本列島の外側(太平洋側)へ進出しようとしています。

 こうして見てみて分かるのが、この米ロ中3カ国は自国から離れた遠い海に出て航海することを考えているということです。その場合、原子力潜水艦の持つ航続距離と快適性が不可欠なものになります。なぜならば、艦内を換気したり、バッテリー(蓄電池)を充電するために、海面に浮上してエンジンを回したりする必要がないからです。浮上することによる敵からの発見や、長期間に渡る狭く制限された艦内生活によって、不必要なストレスで悩まされる心配が少なくなります。

この記事の画像をもっと見る(5枚)

最新記事

道路交通情報(外部サイト)

  • 「最新の交通情報はありません」

コメント

5件のコメント

  1. シーレーン防衛に原潜は不要なのか?

    • 日本に原潜は不要、少なくともSLBMを持たない限りは。
      攻撃型であればそうりゅう型の拡充と発展に費用をつぎ込む方が空母より役に立つ

  2. 間違いが二つあります。
    1.静粛性 原潜はエネルギー無限なので大型化も許容でき、静粛性対策にスペースと重量を割く事が可能で最新の原潜は必ずしも通常潜より騒音が大きいとは限りません。シュノーケルでディーゼル回さねばならない弱点もあります。
    2.敵を探知するソナーには大電力を要します。原子力発電所を背負ってる原潜は電力を気にしませんが、電力に限りある通常潜は原潜よりソナーが劣りますので敵の発見が遅れます。
    遠距離進出しないからと言って原潜不要ではありません

  3. 従来の待ち伏せ作戦なら、敵もそこに(位置特定は出来ないが)海自が居ることは判って居るので、そういう中では特に秘匿性が重要で、逆に水中速度は必要ではない。だから通常型が良い。
    但し、FOIP戦略に基づき南シナ海でのパトロールや攻撃を任務にするなら、やはり原潜が有利な面も多い。

  4. 原子炉は止められないが、高圧ダービーを止め低圧タービンに切り替えれば静粛性は保たれ、炉心冷却水は維持できる。過剰な蒸気は復水器を使えば良いだけの話。通常型エンジンも今はガスタービン型で、停止しても暫くは冷却が必要な筈。