NASA次世代ロケット、まずは無人打ち上げへ トランプ政権の思惑はねのけ開発日程発表

2017年5月にNASAが発表した次世代ロケット「SLS」の開発スケジュールは、ごく平凡なものでした。しかしそれは、紆余曲折の末に実現した「平凡さ」でした。なにがあったのでしょうか。

SLS、まずは無人で打ち上げに決定

 2017年5月12日(金)、NASAは次世代ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」の初打ち上げに、宇宙飛行士を搭乗させないと発表しました。初回打ち上げを無人でテストし、2回目に有人打ち上げを行うというNASAの計画は、ごく普通のスケジュールのように思えます。しかしこのスケジュールに到達するまでに、SLSには苦難の道のりがあったのです。

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2019年に初打ち上げが予定されているSLS(画像:NASA)。

 SLSは2011(平成23)年に終了したスペースシャトル計画の代替となる大型打ち上げロケットで、その全長は322フィート(約98m)以上にも達します。そして世界最大の打ち上げ能力を持ち、NASAが2030年代に予定している有人火星探査を含めたさまざまなミッションに利用される予定です。またSLSに搭載する「オライオン(オリオン)」宇宙船の開発も、同時に進められています。

 このSLSですが、当初は無人での打ち上げとなる「EM-1」ミッションを2018年に、そして有人での打ち上げミッション「EM-2」を2021年に実施する予定でした。また、両ミッションでは「オライオン」宇宙船を、月の周りを飛行する軌道へ投入することになっています。

 しかし2017年1月にドナルド・トランプ氏が米国大統領に就任すると、様相が変わってきます。なんと、同政権下のチームはNASAに対し、「SLSの初打ち上げを有人化できるかどうか、検討してくれ」と伝えたのです。

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コメント

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1件のコメント

  1. 化学燃料ロケットの次はまだ来ないのかなあ