【廃線跡の思い出】越後交通栃尾線 初めての廃線跡は「レールのない鉄橋」

「廃線跡散策」という鉄道趣味の一ジャンルにのめり込んだ鉄道ライターが、そのきっかけとなった越後交通栃尾線の思い出を語ります。

私を廃線趣味に引きずり込んだ鉄橋

 私(草町)は新潟県の六日町(現在の南魚沼市)出身。小学生だった1980(昭和55)年の前後、母の用事に同行して新潟県中越地方の中心都市・長岡市を訪ねる機会がよくありました。六日町駅から長岡駅までは、上越線の普通列車に乗って片道約1時間の行程。長岡駅で下車し、東口から少し離れた用事先に向かうというのが定番のコースでした。

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越後交通栃尾線の跡地に残っていた鉄橋。手前にあった踏切の部分もアスファルトで埋められている(1983年11月、草町義和撮影)。

 東口から用事先までの途中には、さび付いた鉄橋がありました。桁の上には枕木と防護用のレールが敷かれているものの、走行用の2本のレールは取り付けられていない。そもそも鉄橋の前後には線路がなく、これは一体何なのかと、いつも不思議に思っていました。

 年齢を重ねていくうちに、その理由が何となく分かってきました。鉄橋の前後には、細長い駐輪場や駐車場、空き地が連なっている。これは廃止された鉄道の敷地で、鉄橋だけが何らかの事情で撤去されずに残っているのではないか……そんな風に考えて父に質問したところ、「ドンピシャ」でした。かつて越後交通が運営していた、悠久山~長岡~上見附~栃尾間の約27kmを結ぶ栃尾線の廃線跡だったのです。

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鉄橋の桁上には枕木と防護用レールが残っていたが、走行用のレールは先に撤去されていた(1985年8月、草町義和撮影)。

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Writer:

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

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