【廃線跡の思い出】越後交通栃尾線 単線なのに「複線」の鉄橋が

「廃線跡散策」という鉄道趣味の一ジャンルにのめり込んだ鉄道ライターが、そのきっかけとなった越後交通栃尾線の思い出を語る3回目です。

続々と現れた鉄道の施設

 越後交通栃尾線の悠久山~長岡間を歩いてから2年後の1985(昭和60)年8月16日、残りの長岡~上見附~栃尾間、約24kmを一気に歩きました。世間が「日航123」というキーワードで騒がしかったころのことです。

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浦瀬駅の駅舎。バスの待合スペースとして再利用されていた(1985年8月16日、草町義和撮影)。

 悠久山~長岡間以上に、多種多様な遺構が残っていました。こんなものが残っていた!あんなものがまだ残っていたのか! と、驚きの連続。なかなか前に進みません。浦瀬駅の跡地に残っていたのは、木造平屋の駅舎。入口は板でふさがれていたものの、軒下にベンチが並べられていて、路線バスの待合スペースとして使われてました。

 駅舎のホーム側は増築されていて、開いた窓からは浴槽が見えた覚えがあります。駅舎のすぐそばにはバスの車庫がありましたし、バス運転手の仮宿泊所として使われていたのでしょうか。ここは現在、全国チェーンのコンビニエンスストアに変わっています。

 椿沢駅は駅舎が撤去済みでしたが、駅舎に隣接していた貨物用の倉庫と、少し離れたところに木製の駅名標が線路跡地に植樹された木の影に隠れるようにして残っていました。名前を記した塗料はかなりはげ落ちていたものの、「つばきざわ」「TSUBAKIZAWA」と記されていたことは容易に判読できました。

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椿沢駅の駅名標。塗料ははげ落ちていたが何とか判読できた(1983年11月、草町義和撮影)。

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Writer:

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

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