新幹線に乗っていて 一瞬だけ止まる空調の音 なぜ? その空調・換気の仕組み

たとえば東京~新大阪間で東海道新幹線に乗ったら、一瞬だけ「ゴー」っという音が途切れ、また復活する状況が幾度となく起こります。空調の音ですが、なぜそうなるのでしょうか。電気と架線と変電所が関係しています。

一瞬途切れる新幹線の空調 その理由は「変電所」にあり

 いま、新型コロナウイルス対策として「換気」の重要性に注目が集まっていますが、新幹線に乗ったとき、その稼働を実感できる瞬間があります。

 新幹線への乗車中、空気が吹き出すような「ゴー」っという音が止まり、すぐまた、その音がし出した経験はないでしょうか。

 これは空調装置が一瞬停止し、再び稼働を始めた音です。

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荷棚の下に並んでいるN700系客室の空気吹出し口(2020年5月28日、恵 知仁撮影)。

 線路の上空に張られた、列車に電気を供給する架線。かんたんにいうと新幹線の架線は、A変電所が電気を供給する架線A区間、B変電所が電気を供給する架線B区間、C変電所が電気を供給する架線C区間、といったように分かれており、つながっているように見えても、電気的に分割されています。

 そして、この「AとB」「BとC」の境目では、架線から列車への電力供給が途切れます。

 この境目を通過したとき、言い換えれば架線の変電所がかわったとき、電力供給が途切れるため、空調装置が一瞬だけ停止するのです(車内照明はバッテリーから電力供給)。

 空調装置は換気装置と一体的に、車外からの空気導入とその空調、車内からの排気に関係していますが、このように一瞬だけ停止しても、それはそういうものなので、もちろん問題はありません。

 JR東海によると計算上、新幹線車内の空気は約6分から8分で入れ替わり、国の基準(鉄道に関する技術上の基準を定める省令)を満たした十分な能力を持っているといいます。

【写真】N700系新幹線 実は足元にある「見えない空気排出口」

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