コロナ禍4月は「過去最低旅客数」 成田空港のいまはどうなっている? 実際に見てきた
利用者大幅減のウラで 大幅に増加した便もあった
もちろん成田空港も利用者同士の間隔を確保するなど、各所で衛生策を講じています。出発フロアの各航空会社カウンターや保安検査場へ進むゲートには、ビニールカーテンが設置されているほか、第2ターミナルにあるベンチの一部には、席ひとつおきの使用を促す貼り紙が見られ、利用者同士が近くに座らないように配慮されていました。このほか第3ターミナルには、国内線保安検査場入口に体温を測るサーモグラフィーが設置されています。
なお、成田空港では2020年6月現在、展望デッキが封鎖されており、第1、第2ターミナルの一部エリアも稼働を休止中で、エリアを絞って旅客便の対応をしています。
同空港を運営するNAA(成田国際空港)は、2020年4月の月間利用状況を5月28日(木)に発表していますが、この期間、同空港の発着回数は前年4月と比べて67%減り、利用者数は前年同月比96%減の1日あたり約4700人となりました。特に各国が出入国制限や検疫強化するなど対新型コロナ体制を強めている国際線への影響は大きく、国際線旅客者数は、単月として過去最低の1日あたり2328人となっています。
6月の時点では、たとえばJAL(日本鵜空)国際線が96%減便、ANA(全日空)国際線が6月1日から15日までの期間、90%近くまで減便を発表済みで、LCCもジェットスターの国内線が49%減、国際線が66%減、月内に国内全路線を再開する方針を明らかにしているピーチも、6月の運航便数は計画時の3割程度に留まるとのことです。
ただし、旅客便は減少している一方で、貨物便の需要は増えており、これが成田空港の発着数を支えています。先述した4月の利用状況によると、国際線貨物便の発着回数は前年4月と比べて35%増え、単月として過去最高を記録し1日あたり約93便を数えました。航空各社は臨時貨物便の運航や旅客便を貨物専用便として運航するなどの取り組みを、6月現在も行っています。
【了】
貨物便があるからB滑走路閉鎖、ましてや廃港は難しそうですね…