700系&N700系からレーザーで6000番台だけ抽出 N700Sの「アルミ水平リサイクル」とは

N700S新幹線の量産車には、700系、N700系の廃車体に由来するアルミ合金が再利用されました。世界初という高速鉄道の「アルミ水平リサイクル」、アルミ合金にはさまざまな種類があり、実現には課題があったそうです。

最新新幹線「N700S」に生まれ変わった700系とN700S

 2020年7月1日(水)にデビュー予定である、JR東海の新型新幹線車両「N700S」。その量産車で、高速鉄道では世界初となる「アルミ水平リサイクル」が行われました。廃車になった700系とN700系のスクラップ材が、N700S量産車の荷棚と荷棚下パネルに、新幹線から新幹線へ再利用されています。

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破砕片からビレット、荷棚へ、新幹線を「アルミ水平リサイクル」(2020年6月13日、恵 知仁撮影)。

 JR東海と、車両メーカーの日本車輌製造、日立製作所、再生アルミを鋳造・押出成型する三協マテリアル(三協立山)、後述する「LIBSソーティング」を開発したハリタ金属が共同で実現したものです。

新幹線車両に使われている5000番台・6000番台・7000番台

 軽量化などのため、新幹線車両はアルミ合金を使って製造されていますが、車両の部分によって求められるアルミ合金の性能が異なっており、パネル類は5000番台、ボディの構体は6000番台、床下は7000番台といったように、異なるアルミ合金が使用されています。

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新幹線から新幹線へ「アルミ水平リサイクル」の流れ(画像:JR東海・三協マテリアル)。

 アルミニウムは、添加する金属によってさまざまな種類のアルミ合金をつくることが可能。マグネシウムとシリコンを混ぜた合金が6000番台(6000系)、亜鉛とマグネシウムを混ぜた合金が7000番台(7000系)です。

 こうした車両をスクラップにすると、さまざまなアルミ合金が混ざった状態になります。そして、それを溶解して鉄道車両に求められる品質(強度や精度)の再生アルミをつくることは困難なため、新幹線車両に由来するアルミくずは添加物を多く含む鋳物、ダイキャストへダウングレードした形の再利用「カスケードリサイクル」になっていました。

 JR東海はこれまで、海外からアルミの新地金を購入し、部品に成形して車両を製造、廃車になったあとは、さまざまな合金種別が混ざったアルミくずを社外へ売却する、という形でリサイクルを行っていたそうです。

レーザー誘起ブレークダウン分光で6000番台をピックアップ

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Writer:

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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