「御堂筋線直通」ホントに実現 「来る」といわれて50年 北大阪急行の延伸なぜいま?

ライバルは阪急 北大阪急行の延伸区間は運賃に課題

 しかし、北大阪急行の延伸は「ほかの鉄道線との競走」そして「運賃」に課題を抱えています。まず運賃ですが、現状で千里中央~梅田間の現在の運賃は370円、消費税の税率変更前(2016年)に想定された箕面萱野駅~梅田の運賃は470円と想定されています。

 開業当時、数か月の大阪万博輸送で建設費のほとんどを償却してしまった北大阪急行は、初乗り運賃100円と日本有数の安さを誇りますが、新しく建設される区間にはどうしても費用がかかってしまいます。このため、新規建設区間には通常運賃に上乗せする「加算運賃」が認められており、その額は一般的に、初乗り運賃を超えない額とされています。

 沿線地域から千里中央へ向かう阪急バスのうち、鉄道延伸区間の周辺1.2km圏内は220円で運行されており、鉄道の加算運賃しだいではお得感が薄れてしまい「箕面萱野より千里中央に出よう」となるケースも増えるでしょう。箕面市ではバスとの乗り継ぎ割引も視野に入れていますが、北大阪急行と同じ系列とはいえ、阪急バスの協力を得られるかは、まだ分かりません。

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終点となる箕面萱野駅付近から千里中央方面を望む。新御堂筋の左側にバスターミナルが設けられる(2020年6月、宮武和多哉撮影)。

 またここで懸念されるのが、エリア内のほかの鉄道路線との競合です。新線が開通する地域は2kmほど西側に阪急箕面線の箕面駅や牧落駅、東側に同じく阪急千里線の北千里駅などがありますが、これらの駅から梅田までの運賃は260円です。運転本数や途中乗り換えなどの有無を考慮しても、対梅田であれば、阪急の路線が有利になってしまうのです。

【地図】北大阪急行 延伸区間の位置

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コメント

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2件のコメント

  1. いつも拝読させていただいています。
    今回も興味深く読ませて頂きましたが、「なぜいま」なのか、触れていなかったのが残念でした。
    書かれていた課題は確かにそうですが、前から存在していた問題です。
    10年前でなく、10年後でもなく、なぜ今だったのか…
    政治力とか、地元の機運とかいろいろあったんでしょうけど、そのあたりはこのサイトの範疇外でしょうか。

  2. うーん、大阪での「通勤事情」をよく知らないで書かれているように思います?
    そもそも、阪急梅田駅と、メトロの梅田駅を、同一視?し、乗り換えの手間、かかる時間を無視しているに等しい。これがまずおかしい。
    大抵の人は、乗り換えに手間をかける位なら、直で行ける方を選ぶでしょう。定期券を買うなら尚更です。
    萱野周辺は、バスルートはあるものの、昔からの住宅街で、箕面駅迄はかなり離合の難しい狭隘路線となっており、定時性の確保が課題です。

    阪急に関しては、これも古い計画ながら、千里線を延伸し、北千里駅から箕面駅を結び、変わった形での「環状」運転が計画されていた事があります。
    今になると、この遠大な?計画を実行に移していれば、もっと便利になっていた事でしょう。
    記事をお書きになるなら、 もっと地元民の意見、通勤事情ってものを調査してから、作文…もとい、記事をお書きになって下さいね。