「御堂筋線直通」ホントに実現 「来る」といわれて50年 北大阪急行の延伸なぜいま?
「御堂筋線直通」は武器になるか キタ再開発が今後のカギに
しかし北大阪急行の強みは、何といっても西日本の地下鉄でナンバーワンの乗客数を誇る大阪メトロ御堂筋線への直通でしょう。北摂地域はもともとホワイトカラー(事務系)のサラリーマンが多く、ビジネス街が集積する御堂筋線の淀屋橋や本町への通勤者も多いのです。運賃も箕面萱野~本町なら510円で、阪急箕面線や千里線経由より50円高くなるものの(箕面、牧落、北千里からと比較した場合)、たとえば箕面線経由のルートでは、「迷宮」とも言われる梅田エリアで乗り換えを要します。その点では箕面萱野から直通する北大阪急行が有利といえるでしょう。
ただ、大阪市全体の地域構造も変わってきています。かつてはオフィス街の本町や歓楽街の難波がある「ミナミ」が栄え、「キタ」と呼ばれる梅田は長く通過点に近い扱いを受けていましたが、現在では「グランフロント大阪」「リンクス梅田」など大規模なビル開発が進みました。つまり、ミナミに移動する必要が薄れ、キタに賑わいが移っているのです。遊びもビジネスも梅田で済ますことができる近年の流れのなかで、北大阪急行がどのようにしてキタ=梅田へ向かう人々を取り込めるかが課題となるでしょう。
ちなみに箕面市は、昭和40年代後半から国道沿いなどに広い駐車場を持つ、いわゆる「ロードサイド飲食店」が立ち並ぶなど、地域のクルマ依存が進む一方で、北部の渓谷は川床を楽しめるほど自然にあふれています。念願の「御堂筋線直通」は箕面にとってはチャンスでもありますが、箕面市北部に転入者を呼び込むネックともなっている箕面トンネルの高い料金など、セットで考えながらの改善が必要ではないでしょうか。
【了】
Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)
香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。
いつも拝読させていただいています。
今回も興味深く読ませて頂きましたが、「なぜいま」なのか、触れていなかったのが残念でした。
書かれていた課題は確かにそうですが、前から存在していた問題です。
10年前でなく、10年後でもなく、なぜ今だったのか…
政治力とか、地元の機運とかいろいろあったんでしょうけど、そのあたりはこのサイトの範疇外でしょうか。
うーん、大阪での「通勤事情」をよく知らないで書かれているように思います?
そもそも、阪急梅田駅と、メトロの梅田駅を、同一視?し、乗り換えの手間、かかる時間を無視しているに等しい。これがまずおかしい。
大抵の人は、乗り換えに手間をかける位なら、直で行ける方を選ぶでしょう。定期券を買うなら尚更です。
萱野周辺は、バスルートはあるものの、昔からの住宅街で、箕面駅迄はかなり離合の難しい狭隘路線となっており、定時性の確保が課題です。
阪急に関しては、これも古い計画ながら、千里線を延伸し、北千里駅から箕面駅を結び、変わった形での「環状」運転が計画されていた事があります。
今になると、この遠大な?計画を実行に移していれば、もっと便利になっていた事でしょう。
記事をお書きになるなら、 もっと地元民の意見、通勤事情ってものを調査してから、作文…もとい、記事をお書きになって下さいね。