7月豪雨で奮闘「海のゴミ収集車」 湾内におびただしい量の漂流物 裏方の双胴船の活躍

実は小型船ばかり 大きくできないワケ

 海洋環境整備船は、基本的に港の周辺や湾内、内海で作業するため、基本的には排水量200トン以下の小型船ばかりです。逆に船体が必要以上に大きいと、小回りが利かず作業しにくくなるため、むしろ漂流物の回収だけ行う清掃船は、港や運河、河口などで作業するために排水量15t以下の小さなものもあります。

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熊本県の八代港を基地港とする九州地方整備局の海洋環境整備船「海煌(かいこう)」(画像:国土交通省)。

 国土交通省が保有する海洋環境整備船は、2020年4月現在で12隻あり、東京湾や伊勢湾、瀬戸内海、有明海および八代海などに配備されています。また海洋環境整備船を含む清掃船は国のほか、民間所有、港湾を管理する地方自治体の保有など様々な形態があり、国や自治体から運航を民間(社団法人含む)に委託する形も採られています。

 前出のとおり海洋環境整備船は「令和2年7月豪雨」に際しても、九州の八代海や有明海、中部地方の伊勢湾などで奮闘しています。遠方の港に配置されている海洋環境整備船も、応援のため当該港湾に派遣されており、船舶の安全と、漁業や観光業の被害拡大防止のために活動を続けています。

【了】

【写真】「令和2年7月豪雨」で作業する海洋環境整備船の様子

Writer: 柘植優介(乗りものライター)

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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