歴史的な縁がある東西大手私鉄 列車を連携運行 大正時代にさかのぼる阪急と東急の関係
歴史的にビジネスモデルも人も深い関係がある阪急と東急が、連携してラッピング列車「SDGsトレイン2020」の運行を開始。阪急阪神ホールディングス側から東急へ、話を持ちかけたそうです。
西の小林 東の五島
2020年9月8日(火)、阪急と東急という歴史的に深いつながりがある東西の大手私鉄が、連携して列車の運行を始めました。「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向け、メッセージを発信するラッピング列車「SDGsトレイン2020」です。
阪急阪神ホールディングスは、2019年からSDGsトレイン「未来のゆめ・まち号」を阪急線と阪神線で運行。このSDGsの取り組みを広げるべく今回、情報発信力が関西より大きい関東の東急へ話を持ちかけたと、阪急阪神ホールディングスの角 和夫グループCEOは話します。
鉄道を軸にした都市開発モデルを構築した阪急電鉄の創業者 小林一三(1873~1957)は、渋沢栄一(1840~1931)らにより設立された、東急の起源となる田園都市株式会社の経営にも参加。小林は、東急の事実上の創業者とされる五島慶太(1882~1959)へ経営手法などで大きな影響を与え、その後、鉄道経営に関し「西の小林、東の五島」と言われるようになるなど、阪急と東急は、ビジネスモデルも歴史も深い関係があります。
この鉄道を軸にした都市開発を古くから行ってきた両社が、1世紀の時を越えて今回、その事業内容に関係が深いSDGsで連携する形です。
「創業者の出会いから約100年が経ったいま、鉄道を基盤としたまちづくりをDNAとし、多くの共通点を持つ両社が日本の東西で手を取り合いながら『SDGsトレイン』を共同運行できることは、大変嬉しく思います」(東急 代表取締役会長 東急グループ代表 野本弘文さん)
鉄道にできるSDGsは、コロナ禍で乗客が減ったら減ったなりに三密にならない程度に減便して、二酸化炭素排出量削減に資することではないか。狭義の交通は、発生しないに越したことはない。