【空から撮った鉄道】春うららかな房総半島の私鉄1 小湊鐵道

春の空撮は何度か撮影しています。大抵は東京都心部の桜と鉄道の対比です。遠距離では、房総半島の私鉄「小湊鐵道」と「いすみ鉄道」の桜と列車を撮りました。2018年4月のことです。3月となり、春がすぐそこまできていますので、2回に分けて紹介します。1回目は小湊鐵道です。

この記事の目次

・地上から見る桜と上空から見る桜は微妙に色が異なる
・小湊鐵道の「里山トロッコ」といすみ鉄道の急行列車が走る日にあわせて
・月崎~養老渓谷間で「里山トロッコ」を追尾
・菜の花畑での撮影チャンスは40秒ほど

【画像枚数】全13枚

地上から見る桜と上空から見る桜は微妙に色が異なる

 桜と鉄道の空撮はいろいろと誌面や展示などに使えるため、数年ごとに撮影しています。実際に桜を空撮して気がついたことがあって、淡い色合いの桜は地上から仰ぎみると美しいのですが、ひとたび上空から見下ろすと、何やら白っぽいものがワサワサっと塊になっていて、桜がカリフラワーのように見えて、あの淡い色彩の情緒がほとんどありません。

 また、誌面に載るときは彩度が派手目になって掲載されることもあり、八重桜のようなピンク色になることもしばしば。人々の記憶にある桜はピンク色に近いので、ある程度は致し方ないのですね。

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「里山トロッコ」を撮影する前に養老渓谷駅へ立ち寄ってみた。列車が通らなくなった線路には菜の花が、駅前などには桜が咲き、駅前広場には多くの人の姿が見える(2018年4月1日、吉永陽一撮影)。

 桜の空撮はわざわざ飛んで撮った割には、あれ? と思うほど拍子抜けして白っぽく写ることもあるのです。これには毎回悩まされていて、逆にどう撮ったら地上と同じような感覚で見られるかなぁと、春が来るたびに思うのです。

小湊鐵道の「里山トロッコ」といすみ鉄道の急行列車が走る日にあわせて

 さて、今回と次回は房総半島の小湊鐵道といすみ鉄道の桜を紹介します。両鉄道とも房総半島の中心部を横断する形で路線が伸びており、上総中野駅でそれぞれが(線路は繋がっていないけれども)接続しています。そして、両鉄道は沿線に咲く桜と菜の花が有名で、車窓いっぱいに広がる桜並木と菜の花は美しい! の一言です。私も何度か乗車するたびに感動しました。

 小湊鐵道といすみ鉄道は、春を感じる素晴らしい沿線ロケーションと列車を絡めて撮るのを目的に、2012(平成24)年と2018年に空撮しました。今回と次回では、小湊鐵道の「里山トロッコ」、いすみ鉄道の「キハ52形+キハ28形」急行列車が走る、2018年の撮影を紹介します。空撮日は2018年4月1日の日曜日。両列車が走っている日を狙いました。

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月崎駅を発車した「里山トロッコ」が大久保隧道を抜けて上総大久保駅へと向かう(2018年4月1日、吉永陽一撮影)。

 調布飛行場を離陸し、羽田空港の管制圏内を避けながら東京湾を横断します。木更津の干潟が見え、房総半島特有の低山の尾根を越えていきます。途中で非電化の単線が見えてきますが、それは小湊鐵道ではなくJR久留里線の線路。キハ30形が現役の頃は、行きがけの駄賃で空撮したことがあります。尾根はあまり特徴がなく、千葉県はゴルフ場が沢山あり、似たような地形が続きます。地図と現在地を把握しないと現在位置を見失いかねません。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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