評価一変した「ゲパルト」対空戦車の後継車両を大量導入! 廃止から一転 戦訓を取り入れ“さらに強化”へ ドイツ

ラインメタルが近々ドイツ連邦軍からスカイレンジャー30の大量発注がある可能性を示唆しました。

ボクサー装輪装甲車がベースの対空車両

 2025年8月8日、ドイツの防衛企業ラインメタルが、60億~80億ユーロ(約9,600億~1兆2,800億円)相当のスカイレンジャー対空砲システムの追加発注を見込んでいることが、ドイツ国内の報道で明らかとなりました。

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「スカイレンジャー30」を搭載した「ボクサー」装輪装甲車。サブ武装して対空ミサイルも搭載したタイプ(画像:ラインメタル)

 この情報は、ラインメタルのCEOであるアルミン・パッペルガー氏が明かしたもので、装輪装甲車「ボクサー」に、30mmリボルバーカノンを搭載した砲塔「スカイレンジャー30」を載せた自走式対空車両を、2035年までにドイツ連邦軍へ納品する計画とのことです。

 ドイツ連邦軍は、近距離・低高度領域におけるドローンや巡航ミサイルの迎撃能力強化のため、陸・海・空の各軍種を横断してスカイレンジャーを500~600両導入する必要があると見ており、今回の大規模な発注はこのニーズを反映したものと考えられています。

なお、試作車および試験用の車両18両はすでに納入されており、量産車両については2027年から2028年にかけて納入が開始される予定です。

 スカイレンジャー30は、実質的に1970年代に配備された「ゲパルト対空戦車」の後継車両と位置づけられています。

 ゲパルトは、航空技術やミサイルの発展により長らくそれらに対応できない、ヘリ相手が精一杯の旧式とみなされていましたが、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、ウクライナ軍に供与されたことを契機に再評価されています。特に、低速・低空を飛行するドローンや巡航ミサイル、徘徊兵器に対して高い効果を発揮。しかも使用する弾薬が比較的安価な機関砲弾であることから、コスト効率の良い防空手段として注目を集めました。

 このような戦訓を踏まえつつ、スカイレンジャー30は、より現代的な脅威、特に小型ドローン群や高速の巡航ミサイルへの対応力を強化しています。

 6輪駆動の装輪式プラットフォームにより、高い機動性と迅速な展開能力を備え、地形を選ばず運用可能です。

 武装面では、従来の機関砲に加え、時限信管により空中で起爆し、内部の金属ペレット(タングステン製サブ弾)を前方に拡散するAHEAD弾にも対応。これにより、広範囲にわたる空中脅威への対処が可能となり、高速飛行する巡航ミサイルや、群れで襲来するドローン群(ドローンスウォーム)にも有効な迎撃能力を発揮します。

【画像】ようやく日の目を見る! ウクライナで評価された「ゲパルト」

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