実はあった成田空港の「4本目の管制塔」 知られざるその役割とは? 「元祖」解体後も現役

成田空港の供用が始まって以来、運用を続けてきた「元祖管制塔」が取り壊され、同空港の管制塔は2本に――と思いきや、そうではありません。同空港は運用が特殊ゆえに、もうひとつあります。知られざる“管制塔”を調べてみました。

管制塔が複数あるのは運用が特殊だから

 1978(昭和53)年に供用を開始した成田空港。開港から2020年9月まで40年以上使用されてきた「旧管制塔」の取り壊し作業が、2021年3月17日から始まりました。これにより、一時話題になった同空港の「管制塔が3本並ぶ」一風変わった光景に、終止符が打たれることになります。

 開港当初、成田空港の管制塔は今回取り壊された1本だけでした。2本目の管制塔が、国土交通省航空局により、設置されたのは1993(平成5)年のこと。これは、第2ターミナルがその前年に供用開始されたことに合わせたものでした。

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管制塔が3本ならぶ成田空港(乗りものニュース編集部撮影)。

 これにともなって、旧管制塔は同空港を運営するNAA(成田国際空港)の職員が、「ランプタワー」として使用することになりました。この「ランプ」は、国内では成田空港のみが備えるものです。

 航空管制はステップごとに、パイロットとやりとりする部署が分かれています。成田を除く国内空港の場合、空港とその近辺では、離着陸許可や滑走路への進入許可などの管轄をする「タワー(飛行場管制)」と、誘導路の経路指示や駐機場周辺の地上エリアの管轄をする「グラウンド」の2部署が実施するのが一般的です。

 対し、成田空港では、「タワー」「グラウンド」に加え、駐機場周辺のエリアのみの管制を実施する「ランプ・コントロール」があり、この業務が2020年まで、成田空港の旧管制塔のなかで行われていました。ただ、供用当時からのものであることから、当然老朽化が進んでおり、時代に合わせ免震構造を取り入れた「ランプ・セントラル・タワー」を新設。「ランプ」を担当する職員は、この3本目の管制塔に移り「ランプ・コントロール」を実施しています。

 そして、この「ランプ・コントロール」に関係し、実は成田空港には、“4本目の管制塔”ともいえる建物が存在するのです。

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