「赤い鉄橋」で電車止め上田電鉄全復旧 地方鉄道の存続へ 問われる地方自治体の覚悟
流された鉄橋が復旧し、上田電鉄が全線で再開しましたが、経営環境が厳しい地方鉄道で、災害は路線存続に関わる事態。今回できた復旧の背景には、上田市の覚悟がありました。今後の地方鉄道を考えるにあたり、モデルケースになりそうです。
全国に報道された「落ちた赤い鉄橋」の上で
2021年3月28日(日)、長野県上田市内を走る上田電鉄別所線で、日中、鉄橋の途中に列車を止めてイベントを行うという珍しい出来事がありました。
この別所線は2019年10月の令和元年東日本台風で、千曲川橋梁の橋台が流出、一部が落橋するという被害を受けました。
それから約1年半を経て復旧が完了し、きょう3月28日(日)に全線で運転を再開。その記念式典が開催されたのが復旧した千曲川橋梁の上で、冒頭へ記したように特別列車をそこへ数分間停車させ、セレモニーが行われました。
実際に営業している本線を使ってこうしたイベントが行われるのは、珍しいことです。
上田電鉄の國枝 聡常務取締役によると、全国へ報道され、全国から応援があった赤い鉄橋の被災、その復旧を全国に伝えられたらと考え、アピールの効果も高いこの場所で実施したといいます。橋梁の前後にある踏切をしばらくふさぐことになるため、交通整理などで配慮したとのこと。
ちなみに復旧した鉄橋は、約8割弱が再利用。事業費の削減効果を得られたほか、大正時代から長らく地元のランドマークだった「赤い鉄橋」を戻してほしいという声に応えられよかったと、上田電鉄の山本 修社長は話します。
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