「空飛ぶ宮殿」死なず? エミレーツは今後も超巨大機「A380」を使うのか 日本支店長に聞く
エミレーツ航空はなぜA380の運航を続けるのか
エミレーツ航空のセティ日本支店長によると、A380のフライトはコロナ禍でも需要があるとのこと。「2008年以降、1億人以上のお客様にご利用いただいており、お客様に愛され続けている航空機です」と胸を張ります。
「当社のA380は、その広さ、静けさ、そして全てのキャビンでの快適さから、多くのお客様がわざわざ選ばれます。特に当社機はキャビンスペースを特注しており、高い天井にムード照明を取り入れたり、機内ラウンジなどの特徴的な施設を設けたりしています。ファーストクラスのシャワースパは、床暖房や豪華なアメニティ、5分間の流水機能も備えており、リフレッシュして次の旅に備えるにはこれ以上のものはありません。これはまさに航空業界の金字塔です」(サティシュ・セティ日本支店長)
このファーストクラスは「空飛ぶ宮殿」と異名を持つほど。エミレーツのA380でしか得られない搭乗体験を求める利用者の根強い需要が伺えます。
またA380、4発機ではあるものの、その環境性能も特筆ものだといいます。
「A380は、現在飛んでいる旅客機のなかで、最も環境に配慮したもののひとつです。ほとんどのハイブリッド自動車よりも燃費が良く、A380の次に大きな旅客機と比較すると、1席あたりの燃料消費量が最大で20%も少なくなっています。また、離陸時の騒音は他の航空機の半分以下で、静粛性にも優れています」(セティ日本支店長)
新型コロナウイルス感染拡大前のエミレーツは、成田や関西空港にもA380を投入していましたが、2021年4月現在の投入路線は、ロンドン(ヒースロー)、パリ、広州など9都市にとどまっています。ただ、2021年末までには、この運航範囲を広げることを目指しているそうです。また今後、A380をさらに5機発注しているといい、通路を2本持つ大型機のエアバスA350、ボーイング777X(現在開発中)も発注済みとのこと。これら2モデルは2024年の第1四半期に納入される予定といいます。
A380以外も含め「エミレーツ航空=大型機」の図式は、アフターコロナの世界でも、変わることはなさそうです。
【了】
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