初飛行から半世紀 二重反転ヘリKa-27ファミリーに最新型「Ka-32A11M」が登場

原型Ka-27が初飛行したのは1973年12月です。

軍用Ka-27の民間型Ka-32の最新タイプ

 ロシアの国営企業ロステックは2021年5月12日(水)、二重反転ローター式のヘリコプターであるKa-32シリーズの最新型「Ka-32A11M」の画像を公開するとともに、同機をモスクワ近郊のジュコーフスキーで7月に開催予定の「国際航空宇宙サロン2021(MAKS-2021)」で披露すると発表しました。

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ロステックの子会社ロシアン・ヘリコプターズが開発したKa-32A11M。試作機だからか、操縦席脇のドア部分に「KA-32A11BC」と描かれている(画像:ロステック)。

 Ka-32A11Mは、ロステックの子会社であるロシアン・ヘリコプターズが開発した新たな消防ヘリコプターで、最新のアビオニクス(航空電子機器)システムを備え、ナイトヴィジョンゴーグル対応のグラスコックピットを備えています。

 エンジンは高出力のVK-2500PS-02エンジンに換装、これにより酷暑地域でも山岳環境でも優れたパフォーマンスを発揮するとしており、設計上で最大離陸重量は約1600kg増加しているそうです。

 また機体にはナビゲーション・システムを装備し、新型の消火システムSP-32を搭載しているのが特徴としています。SP-32はロシア国立ヘリコプターセンターが開発したもので、タンク容量が4tあり、内部は4つのコンパートメントに分けられた構造をしているとのこと。放水装置は開口部の角度をデジタル制御できるため、放水時間や放水量を自由に変えられるとしてます。

 給水時もシステムの自動化により、60秒で満水(4トン)にできるほか、水だけでなく泡沫消火剤400リットルも追加することが可能。さらに寒冷地でも使えるよう、電気で加熱するシステムを備えるため、冬季におけるマイナス20度の条件下でも消火作業にあたることができるといいます。

 関係者は、Ka-32A11Mについて「二重反転ローターのデザインには多くのメリットがあります。ホバリング時および横風にあおられた際の安定性に優れているほか、テールローターがないため、機体寸法が小さくなり、操縦性も優秀なのが特徴です。新型ではエンジンがより強力な新型になっているため、海抜2000m以上での飛行性能が向上しています」とコメントしています。

【了】

【写真】初公開 Ka-32A11Mの機体下部

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