「退役デカール機」デビューの裏で離日 ANAの737-700「JA02AN」の稀有な経歴とは?
全機退役に先立ち「退役記念デカール」が貼られ、日本を飛び回るANAのボーイング737-700。その裏でもう1機、デカールが貼られることのないまま、ひと足早く離日した機体があります。ただそのデカールには、その機の功績があしらわれていました。
かつての斬新「ゴールドジェット」
ANA(全日空)から2021年6月をもって全機退役予定のボーイング737-700型機。それに先立って、残る2機「JA05AN」「JA06AN」の最前方部には、退役記念のデカールが貼られています。
ただ、このほかに、ANAには2021年5月18日(火)まで、実はもう1機、737-700型機が残っていました。これが18日、ひと足早く離日した「JA02AN」です。同機は、デカール貼り付け作業が実施される5月10日(月)よりほんの少し前、5月8日(土)の宮崎発羽田行きNH614便が定期便としてのラストフライトとなりました。
ANAでは、2005(平成17)年に737-700を導入。同社、そして国内の多くの航空会社で主力機のひとつである「737-800」と姉妹機にあたり、同じシリーズ「737NG(ネクストジェネレーション)」に区分されます。ただし-700は-800より全長が約6m短くなっており、ずんぐりむっくりした胴体が特徴です。ただ、いまでこそ737-700は国内で少数派のサブタイプとはなってしまったものの、ANAでの導入は-700の方が先。ANAの「元祖737NG」といえるでしょう。
そして実はJA02ANの機番「02」が示すとおり、この機は2006(平成18)年に導入されたANAの737-700導入2号機。このことから、すでに退役した初号機とならんで、かつてはANAの同社のトレードカラーである青ではなく、金色の特別ペイントが施された「ゴールドジェット」になりました。
737-700は就航開始が中部空港の開港記念に重なったことや、同空港を中心に運航することが予定されていたことから、名古屋=金のシャチホコのイメージより、この斬新な塗装が生まれたとされています。
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