実は「流浪の特急」? JRの「ロマンスカー/パノラマカー」唯一の生き残り

国鉄分割民営化・JR発足の頃、2階運転席1階展望席構造の車両が国鉄・JRにもいくつか登場。しかし現在も残るのは、JR九州の特急「あそぼーい!」に使われるキハ183系1000番台だけ。この車両も、なかなかに流浪の人生です。

「あそぼーい!」10周年だけど今年で33年

 JR九州の特急「あそぼーい!」が2021年6月4日(金)、運行開始から10周年を迎えました。19日(土)には、沿線でセレモニーも行われる予定です。

 特急「あそぼーい!」の運行区間は熊本~別府。親子用シートやカフェ、絵本コーナーなどが設けられ家族で楽しめるほか、運転席を2階にあげて、列車の前方と後方を展望席にしているのが大きな特長です。

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特急「あそぼーい!」のキハ183系1000番台(2017年、恵 知仁撮影)。

 2階運転席の展望車構造は、日本では名鉄「パノラマカー」と小田急「ロマンスカー」が昭和30年代から活躍していましたが、国鉄・JRでは、1987(昭和62)年3月に登場した165系電車「パノラマエクスプレスアルプス」(JR東日本)が最初でした。

 1987年4月の国鉄分割民営化とJR発足の頃、こうした2階運転席&1階展望席形車両が国鉄・JRにいくつか登場しています。しかし2021年現在も残っているのは、JR九州の特急「あそぼーい!」に使用されるディーゼルカー、キハ183系1000番台だけです。

 JR九州のキハ183系1000番台は、1988(昭和63)年3月に登場。それから今年で33年。なかなかに流浪の人生を送ってきています。

【一度は座ってみたい…】特急「あそぼーい!」展望席から見えるパノラマ車窓

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コメント

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1件のコメント

  1. 電車との併結の実用化は鉄道総研への拠出金のモトを取る意味もあったのかもしれないけれど、連結・解放にかなりの時間を要したために中止になったと聞きました。