大阪府警の電動キックボード取締りに密着 浸透しないルール 「現場で検挙」踏み切れた理由

電動キックボード無免許、酒気帯びも

 6月18日(金)午後、記者(中島みなみ)も道頓堀や日本橋の街頭に1時間ほど立ち、電動キックボードの走行状況を確かめてみました。結果、1時間で3台ほどの電動キックボードと5台ほどのペダル付き電動二輪車が車道の左端や歩道を走っていました。外出自粛で人は少な目でしたが、日中は歩行者専用となる道頓堀商店街での通行も見受けられました。

「マナーの悪い電動キックボードの走行は、南署管内の一部繁華街で特に目立っています」。南署はこう指摘します。繁華街は人の多さもありますが、歩行者の関心が店舗などに流れ、車両と衝突する可能性が高いエリアです。

 府警本部交通指導課によると、電動キックボードとペダル付き原動機付自転車に関する警告書の交付件数は、昨年1年間と比較して大幅に増えているといいます。

・2020年1月~12月(353件):電動キックボード22件、ペダル付き原動機付自転車331件
・2021年1月~5月(313件):電動キックボード72件、ペダル付き原動機付自転車241件

 今年6月16日~23日の集中取り締まりでは、無免許運転、酒気帯び運転の悪質な違反もありました。

・電動キックボード:無免許2件、うち1件は酒気帯び運転。整備不良7件
・ペダル付き原動機自転車:無免許3件、整備不良5件

 酒気帯び運転は6月18日に発生し、運転者は逮捕されています。

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大阪随一の繁華街を所管する南署。府警本部の交通部と連携して、反則切符を交付しての検挙に臨む(中島みなみ撮影)。

「違法な電動キックボードによる重傷事故も発生しています。適法な車両を選び、違法な状態での利用はしないでください」(交通指導課)

 電動キックボードは自転車のかわりで、折りたたんで店に持ち込めるものもあり、駐車場所を考えなくていいことなどから気軽に使われています。しかしネット販売の解説で公道走行可能と表示されていても、運転の責任は免れません。車両選びや整備、運転は慎重になる必要があります。

【了】

【違反意識ナシか?】現場で見た悪質走行ぶり

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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コメント

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4件のコメント

  1. 大阪府警が真面目に仕事をするなんて大地震の前触れか。もうすぐ南海トラフ地震が来るぞ~!高台へ急げ!

  2. 無保険で赤キップやろ!整備不良とか以前の問題やろ。

  3. キックボードだけじゃなくて自転車も取り締まり強化して欲しい
    逆走したり信号無視したり車道のど真ん中や第二車線以右を堂々と走行したり歩道を原付以上の速度で走行したり歩行者にベルやホーン鳴らしたり傘持ちながら運転したりスマホ操作しながら運転したり本当に酷い

  4. 売る方も売る方だがディスプレイするだけと言われればそれまでか